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Story 17.クリスマス。
「じゃあ行ってくるわー」と真ちゃんが大きめ荷物を持って出かける。「おー、いってらー」「行ってらっしゃーい。氣をつけてねーー!」何の疑いもなく見送る旦那ときーちゃん。
真ちゃんは今日から2泊3日スキーに行くらしい。彼女込みで友達と。いや、いいのよ。うん。年頃だからね。私がどうこう言う話じゃないし。良いだけど、なんだろ。モヤモヤするわぁ。
「スキーって楽しい?」「行ったことないん?」「ないー」「今度行くか?」「行きたい!」旦那ときーちゃんはそんなことをまったりと話してるけど、私はなんだかモヤモヤが止まらない。
翌日。「ほんとうっっに帰るの?」「うん」世間はクリスマス。先述の通り、真ちゃんは彼女と友達とスキー。アキちゃんは帰国中。(アキちゃんのお母さんは海外在住)きーちゃんは…家に帰るという。心配しかない。
発端はアキちゃん。真ちゃんがスキーに行くと聞いて「きぃ、一回うち帰れば?クリスマスに1人でここおったらお邪魔虫やで」という言葉。アキちゃんなりに私たちに氣を使ってくれたんだろうけどさ。きーちゃんにしっかり「お邪魔虫」って言葉が刺さったみたいで。氣にせずうちに居たらいいよ。って言ってるんだけど、きーちゃんは頑なに帰ると言う。しかも、これを言った時アキちゃんは超酔っ払い。酔っ払いの戯言なんて聞かないでいいのに。さすがにアキちゃんに怒ったけど、アキちゃん覚えてないし。無責任な発言はやめてほしいものだわ。
「やっぱ送ってく」「大丈夫。ちゃんと帰れるよ。電車乗りたいし」1人で電車に乗って実家に帰るというきーちゃん。「…行ってきます!」「行ってらっしゃい。早く帰って来てね」そう言うときーちゃんはとびきり笑顔で出かけた。
きーちゃんが家を出て2時間。旦那は仕事だし、1人で家中をウロウロしてる間に経過してしまった。「もう家着いたかな。携帯貸せばよかったー」携帯どころかポケベルすら一般的ではない時代で、両方とも持っていないきーちゃんに連絡なんか取りようもなく。
家を出る時、きーちゃんは「行ってきます」と言った。引っ越しして半年。きーちゃんはまだ「お邪魔します」「お邪魔しました」と言ってた。最近はずいぶんと精神的にも落ち着いたのか、熱を出して寝込むことも錯乱することもなくなっていて。だいぶ安定したかなー。って安心したところで、また今回の心配。でも、今日は「行ってきます」って出て行ったからきっと大丈夫。でも、心配。そんな事を無限ループ。
1人でビールを飲みはじめてやった。ほんとっっにアキちゃんのあの発言に腹がたつ。無責任だっていうの。アルコールが入って一度イライラし始めたら、あれもこれもイライラする。真ちゃんにも腹が立ってきた。スキーに行くなとは言えないけど、なんでヨリ戻した彼女連れてくのよ。てか、何?ヨリ戻したって。夏の休みに入る直前、精神的な病氣で療養休暇取る。って会社の人から聞いて速攻で「私には無理」って言ってきたような子だよ?1年以上付き合ってたのに。そもそも春になる頃にはすでに話を聞かなくなってたし、自然消滅してたんじゃないの?だって前に連れ込んでたのはその元カノじゃないみたいだし。(あ、真ちゃん、彼女とは会社の人繋がりで付き合い出したらしいの。)元氣になって復職して、しばらくしたらヨリ戻したいって何?ぜーーったい、クリスマスに1人がイヤだからじゃん。(これは想像だけども)だって、ヨリ戻したの11月入ってからだよ?ぜーーったい、クリスマス…(以下略。なんでそんな女とヨリ戻したかなぁ。バカじゃない?何考えてるのかさっぱりわかんないし!
ビールも5本目に突入する頃、旦那が帰宅。「酔ってる?」帰宅するなり私を見て言う。「酔ってへんし!」「クリスマスケーキ、買ってきたんすけど?」とケーキの箱を出す旦那。箱を開けるとケーキがみっつ。さすがにホールは売ってなくて。だから1人ひとつづつと思って買って来てくれたみたい。きーちゃんの分も。
晩酌しながら、きーちゃんが「行ってきます」と言って出かけたこと。アキちゃんのあの発言がめっちゃ無駄っていうかあの発言は許さん。っていうこと。真ちゃんが元カノとヨリ戻したのが解せないってことを旦那に言う。「あれ、ヨリ戻してへんと思うけど?」私の話をうんうん。と聞いていた旦那が真ちゃんの件を話すとこう言った。一瞬で酔いが覚める。
「どういうこと?」「こっちこそどういうこと?ですけど?」え?多分お互いの周りにハテナが飛んだと思う。「話、整理しようや。誰がヨリ戻したって言うててん」と旦那。「元カノ」「真弥から聞いたんかいな」「戻してへんとは言ってたけど」「いつ聞いてん」「火曜日だったかな?私が早番で帰ってきーちゃんと買い物出た日」「3日前?」「3日前。」「どこで?」「買い物行ったらあの女が居てさ。顔見たら夏のこと思い出して腹たつからスルーしようと思ったんだけど、向こうが氣ぃついてさ。」「で?」「わざわざこっち来て、今度スキー一緒に行くんですぅ。とか言って。実は11月入ってからヨリ戻してー。とか。きーちゃんに向かって『あんまり遊んであげられなくなっちゃってごめんねぇ』とか言うの超ムカつかない?」「うわーそれはヤなヤツですな」「でしょ?」「でも火曜日何も言うてへんだやん?」「それはあんたが呑んだくれて帰ってきたからでしょ!」「一昨日も」「きーちゃんが絶対言わないでって言うから。」
3日前、仕事が昼過ぎで終わった私はきーちゃんを迎えに学校へ行って、大きめスーパーに寄った。そこで元カノと遭遇。きーちゃんに『あんまり遊んであげられなくなっちゃってごめんねぇ』発言。カチンときて言い返そうかと思ったんだけど、絶対きーちゃんはここで言い返すのは嫌がりそうだし。と氣を取り直して、アイス食べに行って。「今の超ムカつくよねー」って話してたら、そこできーちゃんが今日会ったことも言われたことも真ちゃんにも旦那にも言わないで。って。元カノのことは知らなかったけど、自分《きーちゃん》に悪意を持ってたのは、黒い雲がこっちに向かってきたのはわかった。けど、教えてもらったおまじないで大丈夫だったから。って。「ねーさんが怒るくらいだからきっと他の人が聞いても嫌な言葉だったのはわかるし、大丈夫だったから。もし、真ちゃんが聞いちゃったら心配してスキー行くの止めるって言って、また自分が真ちゃんの楽しみを取る方がいやだから」って。
元カノがヨリを戻したと言ってた11月頃、真ちゃんは友達と登山に行く約束をしてたんだけど、学校で明らかな悪意を向けられたきーちゃんはその時対処できなくて寝込んだことがあった。その時もきーちゃんは大丈夫だから。と言ったんだけど真ちゃんが心配だ。ってキャンセルしたことがあった。その後も、また登山だったかハイキングだかに出かける約束してたみたいだけど、学校での悪意は悪化してたみたいで。寝込んではなかったけど、やっぱりツラそうだったから休みの時は楽しませてあげよう。ってキャンセルして私たちででかけたことも。何度か自分のせいで約束をキャンセルさせちゃった。と責めてたみたい。私はそこまで氣付けてなくて。
だから真ちゃんには言わないで、フォローしようと思ったんだけども…「フォロー出来ず家に帰してしまったからやけ酒ってことですな。」図星つくよねー。容赦なく。めっちゃ心が痛い。と、話していたら玄関の扉が閉まる音がした。固まる私たち。「鍵、かけなかったの?」「かけたわ!」
この日は2人だけだったから、2階の私たち用のリビングで呑んでいた。一瞬、きーちゃんかと思ったけどきーちゃんは鍵を持っていない。「見てくるからキリコはここにおりな」と言って立ち上がる旦那。やだ、ダメだって。泥棒だったらどうすんの?「どうすんのって確認せにゃわからんやん。氣のせいかもしれんやろ」「2人が聞いて氣のせいなわけないでしょ」「いいから出るなよ」と言って、部屋を出て行く旦那。すぐに警察に電話できるよう携帯を握りしめて私もそーっと階段に向かいながら下の様子を伺う。
「なんやねん、帰ってくるんやったら電話せぇよー」と旦那の声が聞こえる。帰ってくる?誰?きーちゃんにこんな風に言わないから、兄弟のどっちか?階段を降りてみると、階段降りた突き当たりの真ちゃんの部屋の明かりがついていた。旦那はホッとしたのか階段に座ってる。「真弥ときーちゃん」旦那の言葉に急いで階段を降りて、旦那を押しのけて真ちゃんの部屋に入る。ストーブをつけた所で、灯油の匂いがする。
「ただいま」ストーブの前で、誕生日にあげた白いコートを着たきーちゃんが照れくさそうに言った。「おかえりーーー」思いっきりハグして頭をぐりぐりしてやった。びっくりさせたバツだわ。ホント、ドキドキした。酔いが覚めたわ。でも、真っ先に様子を見に行ってくれる旦那に惚れ直したわ。
きーちゃんにココアを入れて、真ちゃんの部屋で一息。私たちは仕切り直しでビールをあける。「真ちゃんがね、もうホンキでお邪魔虫になるからそーっと家に入るねんで。リビングの方じゃなくて真ちゃんの部屋にダッシュでって。でもドア閉めるの音がしちゃって。お邪魔虫ごめんね」と謝るきーちゃん。「大丈夫、まだお邪魔虫なってへんかったわ。セーフセーフ」と爆笑する旦那。いらんこと言わなくていいから。「お邪魔虫じゃなくて良かったーー」きーちゃんが余計な言葉尻捉えなくて良かったー。だわ。てか、真ちゃんもかわいい妹に変なこと教えないで。「ご飯は?」と聞くと、真ちゃんが連れてってくれたそう。「で、なんでこうなったんか教えて貰おうか。心臓止まりかけたで。」と旦那。ホントそれ。私も聞きたい。
スキーに行ったんだけど、朝凄く嫌な感じがしたから単独でそのまま帰ってきた真ちゃん。で、夕方こっちまで帰ってきて家に向かう途中で偶然きーちゃんを見つけて捕獲。実家に帰るって言ってたのに、実家を越えて離れた所に居た理由を聞いたら野宿する所を探してたと供述したらしい。びっくりしてきーちゃんを見たら「えへへ」と笑うからほっぺをムニッとつねってやったわ。「12月に野宿って何考えてるの!もう!」「ごめんなさい」これは本当に心から反省して欲しいものだわ。真ちゃんも車の中でひとしきりお説教したらしいわ。(そらそうだよね)野宿して凍死するかもしれない、凍死しなくても女の子が一人で野宿するってどれだけ危険か。
「おばかー。家に帰れないならうちに帰ってきたらいいやんーー」お風呂が沸くまでひとしきり私もお説教。変に遠慮はしないこと。遠慮された方が悲しいこと。きーちゃんに何かある方が嫌なこと。その度にきーちゃんは「ごめんなさい」と言うけど、今日はホントの意味でのごめんなさいだからきちんとごめんなさいを受け取ることにした。
きーちゃんがお風呂に入っている間、真ちゃんに例の元カノとヨリを戻したのかを改めて確認。「はあー?」って言われちゃった。「はあー?じゃないでしょ!スキー一緒だったんでしょ!」「集合場所着いたらおったけど、車別やったし話ししてへんし」集合場所着いたらおったけどって、それまで知らなかったってこと?やだ、怖い。真ちゃんと会社の人2人の車、3台で行くことになっていて住んでる所が1人離れてる真ちゃんは途中のサービスエリアで待ち合わせしてたんだって。合流したら元カノも居たけど、元々会社の人の友だちだからって氣にしないようにしてた。元カノの友達じゃない会社の人によると元カノに直前に参加するって言われて、本当に来たとのこと。真ちゃんは、この連休直前まで出張で会社に来てなかったから連絡出来なかったと言われて。もちろん、元カノだし渋ってくれたみたいだけど、私たちがまんまと嵌《は》められたように「ヨリ戻したんでぇ」で騙されたみたい。ホント腹立つオンナね!真ちゃん、オンナを見る目養いなよ。と思わず憐れみの目を向けてしまう。休憩に寄ったサービスエリアや夜、元カノがヨリを戻そうとか言ってきたみたいだけど、真ちゃんは断った。のらりくらりとかわそうとする真ちゃんの供述をまとめるとこんな感じ。
やだ、元カノ怖すぎる。「夜這いかけられてないでしょうね!そんなオンナ、どの手使ってくるかわかんないんだからほんっと氣をつけてよ!」「大丈夫です、それホンマ大丈夫ですから」真ちゃん、若干ひいてるけど。そんな周りに嘘をついてまでスキーに無理やり来たり、私やきーちゃんにも嘘言ってくるし絶対ヤバいヤツだわ。直感でそう思ったけど、どうも旦那にも真ちゃんにも伝わってなくて。どうしようかと思ったんだけど、私たちにも嘘を言った上にきーちゃんに向かって牽制かけて来た話をすることにした。歳が近いならまだしも、うんと年下の中学生に牽制かけてくるとかおかしいから。まあ、中学生って年上の男性に憧れる年頃ってのもあるだろうけど、普通なら、中学生相手にそこまで敵視しない。氣をつけて!と念をおしてるときーちゃんがお風呂から上がってきた。「何を氣を付けるん?」って言うもんだから、長距離運転するんだからちゃんと休みながら帰って来なさい。って言ってた。と誤魔化した。きーちゃんに伝えるべきなのかわからなかった。自分に悪意を向けた相手がヤバいヤツかもしれない。知ってた方がいいのかもしれないけど、きーちゃんに言ってしまうと負担になるかもしれない。
「きーちゃん、早く寝なよー」と言うと、「真ちゃん、ここで寝ていい?」「ええで」と普通に返事してるけど。いやいやいや。「ダメ!」と全力で止める。「えーー、だってあっち寒いしみんなここにいるから寂しいー」「ストーブ点けたらいいでしょ」「えー。なんでー。やだー」「年頃の女の子なんだから氣をつけなさいってさっき言ったでしょ!だからだめ」「それは知らない人って言うたやん。真ちゃん知らない人ちゃうし」あかん、伝わってなかった…。もっとストレートに言わなきゃならないのかしら。「アホなこと教えんなし」きーちゃんとそんな問答をしてる間に真ちゃんはきーちゃんのお布団を運んで来てた。「アホなことじゃないでしょ」と言い返すけど、それを無視して2人はジャンケンを始める。「やった!勝ち!」ときーちゃんは真ちゃんのベッドに乗る。なんなの、この2人。
ああ、そう言えば夏、何か言ってたね。真ちゃんの布団が快適とかなんか。うん、言ってた。何か、脱力。「ええんちゃう?ちょいちょい一緒に寝よるで」と旦那。「うそ!」「知らんかったん?」「いつ?」「だからちょいちょい。2、3日に1回位ちゃうの?なぁ」と旦那。そんなに頻繁に?「寒くなってから良く来られてますよ妹さんwww」と真ちゃん。知らなかったーー。「そら、あなた一番最初に寝て最後まで寝てますし?」と旦那。確かに私が起きるとみんな起きてる。ってか真ちゃんはほとんど出勤後だわ。ちょっと反省。「何もしてないでしょうね?」「してへんわ。アホちゃう?笑」「えー、めっちゃしてるで!」ときーちゃん。え!!「こないだは人生ゲームして、その前はねUNOやってん。ねーさん達もしたいー?」あー、びっくり。なんか、目眩がしてきた。のみすぎたかしら。
「あかんやん、キリコに言うたら怒られるから内緒や言うたやん」「ホンマや。」真ちゃんに言われてうふふって笑うきーちゃんかわいいけども……何やっとん、2人は。「今日は本にしようかなー。この間の続きがいい」「どっち?こっち?」「こっち」そう言って2人一緒の布団に入りだす。
それはホンマにあかんて!私が焦るわ。最近の子って恥じらいってもんないの?私らまだ部屋に居てるんですけど!旦那は表情変えずに普通にビール飲んでるし。
「さすがに一緒の布団ってまずくない?」とコソッと旦那に言うと「おねえさんはかわいい妹が若い男と寝るのは許さんらしいでー」と笑う。「アホちゃうか」と本を開く真ちゃん。「どこまでかパッとわかる?」「ここだ。」本を見ながら何か言ってる。「正解。ちゃんと読んだ?」「この空氣だった」「今の正解無効ー」とか言ってる。何をしてるんだか。しばらく飲みつつ観察。真ちゃんが、読んでる所を指でなぞりながら声を出して読む。その後きーちゃんも同じように読む。「ここ、ガチャガチャしてる」「こうしたら?」「ちょっとマシ」「なんか違う事言ってる氣がするけどなー」「なんて言ってる?」何かそんなことを言いながら音読を続けるふたり。2、3ページ進んだ頃きーちゃんの声が聞こえなくなる。寝たみたい。さっきまで話してたのに。ちっちゃい子みたい。真ちゃんがテーブルに戻ってくる。なんの事ない、ホントの寝かしつけだった。笑
「毎晩こんなことしてたの?」きーちゃん、中学生だよね?笑「寝る前は何かしらやってるわ」「人生ゲーム?」「モノポリーも買ってきたでwww」マジおじいちゃん。「今のは何?」「疲れずに文字読む練習。」きーちゃんは、文字を読む時に読み方以外のものも読んでしまうらしくて、ものすごく疲れるとよく言っていて。真ちゃんが、文字の「音」だけを読むように練習してあげてるんですって。読み方以外に読む。ってイマイチピンとこないんだけど、文字にはひとつひとつ意味があって、普通は読み方の「音」だけ受け取って読んでいるんだけど、きーちゃんの場合は「意味」と「音」を文字を読む一瞬で受け取るから処理しなきゃいけない情報が増えちゃうんですって。
私がやってる文字を読む。↓↓↓書かれている文字や「単語」の音と意味たちを受け取って、その文章の意味を組み立てて理解する。
きーちゃんの文字を読む。↓↓↓書かれている文字の「音」と1文字ごとの「意味」を受け取る。↓↓↓「音」と「意味」を分ける↓↓↓本来書かれている言いたいことの意味を組み立てる。だから瞬時に読まなきゃいけない文字を把握することと、その文字の音だけを受け取る練習。
こんな感じ。漢字に成り立ちや意味があるように、ひらがなにも数字にもあって、その意味が色だったり音だったり空氣だったりその時事にいろんな風に感じてしまう。らしい。何だか大変そうなのはわかった。
翌日。珍しくみんな揃って休みの日曜日。飲みすぎたせいで若干ボケーっとしながら昼前に起床。昨日の反省(一番遅くまで寝てる件)旦那より早く起きたわよ!
1階のリビングに降りると誰もいない。真ちゃんの部屋にもいなかった。庭には洗濯物が干してある。真ちゃんの車はあるから出かけてないはず。コーヒーを入れてテーブルに行くと、小さなプレゼントが置かれてるのに氣付く。「きーちゃん、また何か作ったんだー」何が入ってるのか氣になるけど、キチッとラッピングされていて中身は不明。
コーヒーを飲み終わる頃2人が帰ってきた。「おはよー、今から私がお昼作るからねー!」ときーちゃん。食材買い出しだったのね。台所でご飯を作り出すきーちゃん。監督真ちゃん。ホントお父さんかおじいちゃんだな。その様子を見てたら、きーちゃんが私のところに来る。「メリークリスマスでしたー」とテーブルにあったプレゼントをくれる。私にだったの?プレゼントを渡してくれるとまたご飯を作りに戻るきーちゃん。
時々「あっ」とか聞こえるけど、監督《真ちゃん》がついてるので私はプレゼントを開ける。箱も手作り。開けるとピアスが入ってる。三日月とキラキラ揺れる小さなビーズ。「月の涙みたい」と自分で言って、「月の流す涙」と氣付く。私の一番好きな曲で、パーティの時きーちゃんたちが演奏してくれてた。とっても嬉しくなって早速つけると、旦那が起きてきたから見せる。「すげえ、これ作ったん?」「そうなの。クリスマスプレゼント♡」「美樹ちゃんにもあるよー!」ときーちゃんがこっちに来ようとするけど「先生、火をつけてる時は離れないで下さい」と監督に呼び止められてる。3分クッキングごっこをしてるらしい。なんやねん、それ。
「ペペロンチーノとシーフードのスープ、サラダの完成でーす」とアナウンサー風に真ちゃん。監督じゃなくて、アシスタントのアナウンサーさん役だったのね。なにしてんねん。と思ったけど、美味しそう。レパートリー増えてきたね。
料理を完成させた先生は、旦那にもプレゼントを持ってきてくれる。ベルトに通して使うポーチ。前に細かいモノを入れられるの欲しいって言ってるのを覚えてたみたい。「布地ね、加奈ちゃんピアスと交換してもらってん」いつの間に。てか、作ったの?「ねーさん達今日何するの?」ときーちゃん。「今日は何も決めてないけど行きたいとこあるの?」誕生日に旦那がプレゼントしたモノが売ってる店に連れてって欲しい。と。「真ちゃんがね、クリスマスプレゼントにミシン買ってくれるって」と内緒で教えてくれる。やっぱり甘いなぁ。おじいちゃんだわ。