Story 31.魔法の国のプリンセス。

「おつかれーー」やっと我が家に到着。リビングに入ると、各自脱力。ホント、疲れた。マハルはご機嫌でラグの上で転がっている。向こうでお熱出なくて良かったよ。きーちゃんがコーヒーを入れてくれて一休み。「本当に助かった。ありがとう。」旦那が真ちゃんときーちゃんに頭を下げた。「なんやねん、氣持ち悪い」と真ちゃん。「きーちゃん、誕生日で出かける言うてたのにホンマごめんな。星、見に行きたかったよな」と旦那が続ける。「大丈夫だよ。マハルくん独り占めできたもん。一緒にお歌うたったんだよねー♡星も見れたし、車で寝たよ。ねー♪」とマハルに言うけど、多分、星を見たっていうのはさっきのことだろう。まだやっぱり大人モードだよなー。そんなにすぐに切り替えられないんだろうか。
「真ちゃんも大丈夫?」親族の子供が集まると小学生幼稚園児が意外と人数がいて、お通夜と葬儀だけでなく寝る以外の時間取り囲まれていた真ちゃん。「マハルもあんなんになるんやな。これ、体力つけとかなヤバイな。でも結構握力とか戻ったんわかったわ」と笑う。うん、結構パワー系な遊びしてたね。「まさか由佳があんなに真弥にべったりなるとはなぁ」由佳とは姪っ子。本当にびっくりするくらい常にくっついて回ってたし、お通夜の後コンビニに連れてってくれって頼んで連れて行ってもらってた。きーちゃんはマハルをお風呂にいれるからって行かなかったんだけども、その後すぐに少し調子悪いと言って寝てしまってた。つまり、誕生日を完全に寂しいものにしちゃった。けど旦那よ、空氣読もう。
「四十九日、ホンマ氣にせんでええからな」と旦那。一月末に四十九日の法要があって、義姉夫婦が良ければ来てもらって改めてお礼がしたいと言っていたからそのことだろう。最初は四十九日はごく近い親族だけとみんな考えていたんだけども、義姉宅のお姫さま姪っ子が「四十九日の時もまーくん(マハル)の面倒見に来てくれるよね」としつこく言いまして。真ちゃんの都合つくなら、お礼も兼ねて…と義姉も言い出したんだけども。いくらかわいい一人娘だからってさ、そこまで言うこと聞く必要ある?と思うわけよ。近所に住んでるならともかく意外に距離もあるし。姪っ子なんて真ちゃんに会いたいだけじゃん?葬儀の時はともかく近い身内だけの法要だしマハルが多少泣こうが、お通夜の間騒ぎまくる子供たちよりマシだと思うけど?(身内だろうが躾のなってない子供は嫌い)そもそも真ちゃんがお通夜と葬儀中、子守になったのってさ、あまりにも騒ぐから見兼ねて別室に連れて行ってくれたからだし。それを良いことに、叔母娘たちは子供放置してるしさ。って私もマハルをきーちゃんに任せっきりにしちゃってたから余り大きな声で言えないけど。もうしつこいくらいに言うもんだから、四十九日の件も真ちゃん承諾するを得なかったんじゃない。コンビニ連れてけ。も「無理」の一言で終わるのに、部活の何かしらを絶対今日いるとか。次の日葬儀なのにいるわけないじゃん。何故か子供の言いなりになってるところ、義姉たちはいい人だと思うけど嫌いだわ。
「氣ぃつかわせて申し訳ない」と真ちゃんが逆に謝ってくれるから余計に申し訳ない。まさかホテル取れないなんて。そんな観光地じゃないし、多分すぐ取れるよーと答えた手前、ホント申し訳ない。「マハルくん、今日お風呂どうする?寝る前に入るならいれようか?」ときーちゃんが聞いてくれる。「今日はもう起きてからでいいよ。きーちゃん疲れたでしょ?」「私、車の中でずっと寝てたし元氣よ」
「ひとまず、、、寝よう。つっかれたーーー」と旦那はその場で倒れこむ。一番疲れたと思うけど、そこで寝ないで。「こっちで寝る?お布団敷くね」ときーちゃんが隣の部屋に布団を敷きに行ってくれる。確かに上にあがるのすら面倒なくらい疲れた。きーちゃんがお布団を2つ敷いてくれたので私たちも下で寝ることにした。

明け方、隣のリビングで物音がして目が覚めた。「どしたの?」とリビングに行くと真ちゃんが引き出しを開けて何か探してた。「キリエがやっぱ熱出したから解熱剤残ってなかったかと思って」無理させちゃったからだよね。ポーチに入れてる解熱鎮痛剤を渡す。「これさ、氣付かんかったことにしてもらえる?薬取りに行くのキリコらが完全に寝てからにしてくれって」熱出してしんどいのに、やっぱり私達のこと心配してくれるんだね。
「きーちゃん、真ちゃんの部屋?」「いや、アレの部屋。ちょっと前に出してもらってた薬持ってたらくれって降りてきた」アレとはアキちゃんのこと。てっきり真ちゃんの部屋で寝てるのかと思ったら違うんだ。「なんで一人で寝てんのよ」「何でって言われても、最近ずっと一人やんか」たしかに、最近はアキちゃんの部屋で寝てるな。「熱出てるなら一緒に寝てあげなさいよ」「前と言うてること違うしwww」言ってること違うのわかってるんだけど、きーちゃん、この2日一人で緊張しっぱなしだったわけで。一人じゃ心細いと思うし。

翌日になっても、きーちゃんの熱は下がっていなかった。「休憩ごとに星見てたから風邪ひいちゃったかなぁ」ときーちゃんは笑う。マハルにうつしたらダメだからと真ちゃんの部屋で寝ている。
「喉もきれいなもんやし、熱以外風邪の症状ないし疲れたんちがうか?1日2日ゆっくりしてみな」と往診に来てくれた先生。「急に子供くささ抜けてきたな。女の子ってそんなもん?」熱が高いから点滴をしてもらってる間、話していると先生が言った。自分の所は男ばっかやから、女の子の成長がよく知らんけど驚いてるって。
昨日まで大人モード入ってたからって言うのもあるけど、きーちゃんが無理していると言うわけではなく確かに最近急に子供っぽさが抜けてきたと思う。年相応になればそのアンバランスさが薄くなって落ち着くのかな。と思っていたけど、14歳にしては落ち着いたというか妙な艶っぽさがある表情を見せる時がある。だからこそ、大人モードに入ったきーちゃんがとても姪っ子と同い年に見えなくて、逆に姪っ子のが幼く見えたのも事実。「そんなに子供っぽさ抜けました?」知らないふりして先生に聞いてみる。「抜けとるよ。さっき見た時驚いたわ。最初に診た時とは別人なってますやん」確かに一年前とは別人のような雰囲氣。中学生だけど、もっともっと幼い子だと錯覚するくらい幼かった。「旦那、お父さんみたいになっとるし、あれはもっと心配するんちゃうか?」と笑う先生。「お父さんみたいになってます?」「なってるなってる。彼氏ができた言われたら言いや。慰めの呑みに連れてったるわ」と旦那に言いながら笑う先生。「彼氏とかまだでしょ。まあ、連れてきたらぶん殴りますけどね」と旦那。殴るんかい!その第一候補、すぐそこいてるけど?笑
先生を見送った後、きーちゃんの様子を見に行くと、点滴してもらってちょっと落ち着いたのか眠っていた。旦那がおひーさんって言ったり、私もかぐや姫とか乙姫さまとか言ったりしてるけど、あまり一般的でない感覚を持っているせいか道で見かける中学生とはちょっと違う雰囲氣で、おひーさんって言葉が似合うよね。と寝顔を見て思う。それが、きーちゃんが無理するのではなくて、本当の姿だと思いたいな。
「ねーさんにもうつったら大変やから、来ちゃダメー」きーちゃんの寝顔を見ていると、目を覚ましたきーちゃんに怒られる。「先生が、疲れたんだろうって言ってたからうつらないよ。マハルは美樹が見てくれるし、今日位きーちゃんのお世話したいんだけど?」「ありがとー」熱が高くて、虚ろな目でぼんやりとしているきーちゃん。きーちゃんはしんどいんだろうけど、その表情が浮世離れしていて思わず見惚れてしまう。「うつらないなら…お茶飲みに行って大丈夫かなー。マハルくんだけ念のためにお布団の部屋つれていってー」「お茶くらい取ってくるよ」「あのねーちょっと歩きたいー。寝てるとね背中痛くなってきたから」と言って起き上がるきーちゃん。
歩くとまだふらついている。「ホラやっぱ寝てなさい」「えー、一人で寝てるの寂しいー。ちょっとだけ」と笑う。旦那に言ってマハルと一緒に昨日寝た部屋に行ってもらう。「あかんやん、起きたら」フラフラと歩いてきたきーちゃんを見て真ちゃんが言う。もっと言ったげて。「一人で寝てるの寂しいもんー。お茶も飲みたいもんー」そう言ってソファーに座るきーちゃん。お茶をいれて持っていくと「ありがと」と笑って、ゆっくり飲んでいる。「アイス残ってるけど食べる?」「いるー。ストロベリーがいいー」何か食べようとしてるのが嬉しい。
アイスを少しずつ食べるきーちゃん。真ちゃんが隣に座って、きーちゃんの着ているパジャマのウサギフードを被せる。「食べにくいー」と言ってフードを取るきーちゃん。それでもまたフードを被せる真ちゃん。「もー。いらんことばっかするんやったら風邪うつすでー」とまたフードを取るきーちゃん。何してんの。なんか、前にもこの風景見た氣がする。あれから、一年かぁ。早いなぁ。今年は特に早い氣がする。
その後すぐに真ちゃんに部屋へ強制送還されたきーちゃんは、夜になると熱も下がって元氣になった。
「お当番、すっ飛ばしちゃったね。ごめんね」夕食を作ってる私のところに来て言った。マハルが生まれてすぐに当番表を作り変えてくれたきーちゃん。マハルが大きくなってからもその当番表は旦那の名前が1日増えただけで、私の名前は外してくれていた。私はきーちゃんが当番の日に一緒に作る程度だったので、一人で作るのは久しぶり。恵まれた環境だわ。
「寝てなくていい?」「1日寝過ぎて、夜寝られないくらいかもしれない」と笑う声は、ずいぶん元氣になっていた。「そっち冷えるで。そんなにキリコんとこがええんかー」と真ちゃんがきーちゃんの後ろから抱きついて「ねーさん助けてーー」とか言って遊ぶ2人。台所で騒がないでくれる?怖いお父さん呼ぶよ?笑先生は子供っぽさ抜けたと言ってたし、私もそう思うこともあるけど、こういう所はまだまだ子供っぽさ全開だよね。この2人、ホント不思議よね。いろんな関係を網羅しているというか。うーーん、よくわからない。

翌日、私の誕生日。旦那と真ちゃん仕事。きーちゃん学校。「帰ったらパーティしようねー♪ 」とウキウキしながら出かけたきーちゃん。嬉しいんだけど、きーちゃんのお誕生日会出来てないよ。
「ハッピーバースデー!」約束の時間ちょうどに加奈子が来た。誕生日のお祝いとマハルを見に遊びに来てくれた。「ころっころー。かわいいー」マハルを見た瞬間、メロメロな加奈子。そうでしょ、うちの子かわいいでしょ?「はーい、プレゼント♡」紙袋をくれる。「サンキューーー」あけると、欲しいと言ってたコスメセットと香水。色も最高!さすがわかってらっしゃる。「あとさ、むらさきちゃんの。渡しといてー」「むらさきちゃん?」「御宅の紫の上ですわよ。誕生日、近かったやろ?お姉ちゃんだけだと可哀想やん」と大きなラッピングされた袋をくれる。きーちゃんの誕生日まで覚えてくれてたのね。友情に感動すら覚えるわ。
「紫の上元氣してる?源氏の君はちゃんと手を出さずにいてるかしら?笑」そうだった。加奈子、年末その話で盛り上がってたね。もう一年かぁ。いや、まだ一年なのね。「まだ手ぇ出してないみたいよ笑」「それでこそ現代の源氏の君!」と言って笑う。
「ホントはさ、妹ちゃんにも会いたかったんだけど夕方から打ち合わせ入っちゃってさー」自分のインディーズブランドを置いてもらってるお店との打ち合わせだって。何だかちょっと羨ましい。「結構大人になったー?」「会ったら驚くよ。この一年で本当成長しててさー。多分去年と別人!」これは先生の受け売りだけど。「あらーそうなの?今にマハール、夕霧みたくなったりして。笑」加奈子、どこのおばちゃんよ。マハールってどこの国の人間よ。てか夕霧?加奈子は夕霧って言うのは、光源氏の息子で紫の上の姿を一度見かけてその美しさ憧れるんだけど、真面目ボーイだから間違いはおかさなかったよ。と教えてくれた。なんか、源氏物語ってカオスね。
久しぶりに友達と話すと本当に楽しくて。マハルも機嫌よく転がってるか、ミルク飲んでぐっすり寝てくれたから思う存分話せる。
「すごいやん。超オトナ!」この間の義母の葬儀の話をした。きーちゃんは妹ってことにしているからちょっと内容改変はしたけど、きーちゃんの誕生日で真ちゃんと星を見に行く予定だったこと。訃報が入ってしまったこと。マハルが小さいからと氣遣って留守番と言われたけど、私がどうしても行きたいと言っていたら予定をキャンセルしてマハルの面倒を見に一緒に行ってくれたこと。そして、完璧に面倒を見てくれたおかげで私はきちんと義母とお別れが出来てそして嫁のお勤めもできたこと。(田舎だからね何かと嫁は忙しい)
真ちゃんも一緒に行ってくれたんだけど、姪っ子が真ちゃんをめちゃくちゃ氣に入って、きーちゃんを敵視してたこと。真ちゃんはマハルではなく親族のガキんちょ(失礼)の子守になってしまったこと。四十九日の件。そして、子供の言いなりになりすぎるってどうなの?ってこと。この2日だけでも結構ボリューム満点だわ。と話しながら自分で思ったけど、加奈子は興味深げに聞いてくれるからモヤモヤしたことも全部ぶちまけちゃった。笑
「超感動しちゃってさ。でも誕生日も楽しみも我慢させちゃったよー。誕生日だよ!誕生日!」「今日一緒にすれば?」「合同で?」「すっ飛ばすより全然いいと思うけど?プレゼント用意してるんでしょ?」
あ…きーちゃんの誕生日に一緒に買いに行くつもりだったけど、泊まりで居ないからその隙に買いに行こうと思ってたんだった。そして、義母の訃報で…「どうしよう!用意してない!」「えーー。それは酷いってば!すっ飛ばすより酷い!」
時間をみるとまだお昼前。「行けるなら車出すよ」加奈子が車で来てくれて助かった。マハルの準備を待ってきーちゃんのプレゼントを見に行く。持つべきものは頼れる友達。
「去年はコートにしたのよねー。今年は何にしよう」「14歳だっけ?」「そう。」「私があんたにあげたのとあんまり変わりばえしなくて芸がないけどさ…基礎化粧品のセットとかは?かわいいターバンとかつけてさ」「いいねー!」「中学生向けのってどんなん?美顔器とかしなくてもぷるっぷるよ?」
自分たちが中学生の頃使ってた基礎化粧品なんて覚えてるわけもなく…カウンターで相談することにした。「ニキビできてるの見たことないなぁ。」カウンターのお姉さんの質問に答えていく。「キメも超細かくて、色白でね、ホントかわいいんですよ!」「キリコ、姉バカにもほどがあるって。中学生はニキビが無ければたいがいお肌綺麗だから笑」
お姉さんにおススメをピックアップしてもらい、そしてラッピングしてもらって、かわいいプレゼントが出来上がり。「超助かった!ありがとーー」今日、加奈子が来なかったらえらい事になってたわ。
「え!じゃあどうする??」遅いランチ中、加奈子の話にびっくり。優希がまさかのできちゃった婚&脱退決定。バンドは私の産休で現在活動休止中だけど…。2月に復活記念と言う名のライブをもうブッキングしてしまっていた。「店長はうちらのメンバーの中で新しくバンドするなら頑張って仕上げたらそこに入れるよって言ってくれてるんだけどさ。」「今更新しいの…ねぇ」「キリコの知り合いで誰かここで出られるバンドない?埋めてもらおうよー」「居たかなぁ…」いい人発見。顔の広いアキちゃんだったら、出てくれるバンド知ってそう。「クリスマス前に一回帰るって言ってたから聞いてみるよ」
加奈子に家まで送ってもらい、帰宅。マハルをあやしながら「あの優希ができちゃった婚ねぇ。年末、真ちゃん狙ってるとか言ってたのに」とか、ふと思う。結婚と同時に地元戻るとか。全然知らなかったんですけどーーー!

17時過ぎ、旦那帰宅。きーちゃんが予約してくれていたというケーキを買ってきてくれていた。ケーキをのぞいてみようと開けた時に「ごめん!先に言うとく!」と謝るから何事かと思ったら、happy birthdayのチョコが2つ。『happy birthday キリコ 』と『happy birthday きーちゃん』「きーちゃんの誕生日、出来んかったからせめてと思ってんけど…ケーキ2つもいらんし」と謝る旦那。「何で謝るのーー。なんか嬉しいーー。絶対喜ぶよね!」本当に嬉しかった。「ホンマ、美樹、最近お父さんだよね」「あと何回親父にケーキ用意させてくれるんかな、かーさんや」「バカじゃない?笑」加奈子が昼間きーちゃんのプレゼントを買いに一緒に行ってくれたこと、うちに来るときに加奈子からのプレゼントを持ってきてくれてた事を言う。「中が氣になるから、きーちゃん帰ってくる前にこっそり見ちゃダメかしら?」「あかんやろ」
宴会部長のアキちゃんは居ないし、マハルが居るから去年みたいに豪華なものは出来ないけど。「そうだ、ピザ取りに行ってくれるって言ってたから唐揚げ作ってあげよ♪」きーちゃんの大好物唐揚げ。喜んでくれるかなー。マハルを旦那に任せて、台所へ。唐揚げが出来る頃、ちょうどきーちゃんたちが帰ってきた。
「美樹ちゃん、ケーキ行けたー?」と帰るなりきーちゃんが楽しそうな声でリビングへ。帰ったらまず「ただいま」でしょ。「予約バッチリやったで」「見てもいいー?」「もうすぐ開けるから、まあ待ちなさい」旦那がケーキの箱を冷蔵庫の一番上に入れ直す。「えー見たいのにー」きーちゃんはケーキを覗けずちょっと不満げだけどケーキにきーちゃんの名前もあるのは内緒にすることにしたから仕方ない。加奈子と私、旦那からのプレゼントも隠した。(旦那ってば帰りに一人でプレゼント買いに行ってるとか!)
授乳をして、マハルがご機嫌になったところでピザが冷めないうちに旦那がケーキをテーブルに持ってきてオープン。「私の名前もある!私のもあるって!!」プレートを見てきーちゃんびっくり。作戦成功。「美樹がね、きーちゃんのもって追加して帰ってきてん」というと、きーちゃんは旦那の所へ行って「美樹ちゃーーーん♡嬉しいよぉぉーありがとーーー」とハグ。父さんや、顔、だらしなくなってるよ。真ちゃんが複雑な顔をしたの見逃さなかったけど、どう見ても父娘のふれあいじゃん。笑最近、本当に隠さないな。
「みんなが元氣で幸せでありますように!」ロウソクの火を消す時のおねがいごと、まさかの被り!なんか、もうホント幸せ。「ねーさん、お誕生日おめでとー!今年はね、真ちゃんと2人からー」とプレゼントをくれる。「あけていい?」「どうぞどうぞ」開けると、欲しかったメゾンのお財布とカバン。高くて我慢してたの!「嬉しいーー。いいのー?」
旦那からのプレゼントもあって、開けると少し前に欲しいと言ってた指輪で。「ヤバーイ!嬉しい!!」私の幸せがマックスになったところで、次はきーちゃんの番だ!
「きーちゃん、遅くなったけど、お誕生日おめでとう」とプレゼントを渡す。きーちゃんはびっくりし過ぎて声が出てない。「でね、こっちが加奈子から。きーちゃんに会いたいって言ってたけど仕事だからって預かったよ」「加奈ちゃんからも?嬉しいーー」「お父さんからもあるでー」と旦那も渡す。更に声が出ないきーちゃん。もうニッコニコ。喜んでくれて嬉しい。「実はな…プレゼントあんねんな。おめでとう」と真ちゃんもプレゼントを渡す。「星を見に行くのじゃなかったのーー」と一番驚いてるきーちゃん。いや、星見に行けなかったじゃない。
「大人みたーい♡」私のプレゼントを開けてのきーちゃん。去年のアキちゃんからのプレゼントも化粧品だったけど、ほとんど使う機会がなくて勿体ないから。と私に譲ってくれたのよね。にしても、表現がかわいい。「かわいいーーー♡」加奈子からのプレゼントは、加奈子の作ったテディベアのリュック。早速背負ってる。「かわいいーーー♡」旦那からのプレゼントは、前にウサギのパジャマを買った時に一緒に悩んだネコのパジャマ。父さん、やるな。「真ちゃん、開けていい?」なんで真ちゃんのだけ改めて本人に確認に確認すんの?私も氣になるから早く開けて。
「おおーー」思わず私が声を出してしまう。きーちゃんはびっくりし過ぎてまた声が出ないよ。アンティークなデザインのペンダント。「イビツになってんのは無視してや」ってことは、「真ちゃんが作ったのーー?いつ?」「先月、ツレと出かけた時。工房あってさー。アクセサリー作るんって難しいのな」
先月、友達と旅行行ってたわ。そうなの?そんなことしてたの?「つけてもいい?」きーちゃんにとっても似合ってる。
大人だけが盛り上がっていて氣に入らないのか、マハルが怒り出して。それも楽しくて。去年のパーティー、今年の誕生日。きーちゃんと過ごす誕生日はスペシャルだね。きーちゃんは私の魔法の国のプリンセスかもしれない。