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Story 35.真ちゃんの選択。
翌朝、いつも通り起きて家の事をしてくれていたきーちゃん。「あれ?真ちゃんは?」「まだ寝てるー。寝たのね、多分朝だよ。不良だよね」珍しい。休みでも真っ先に起きるのに。あれから起きてたのかしら。「真ちゃん、何か言ってた?」「何が?」まだその難しいことってのは言ってないのね。「今日、マハルくんとお散歩行っていいー?」えっ!今日?どうしよう。お散歩だからそんなにしっかりお出かけじゃないだろうけども。何やら言うとか言ってたから出かけない方がいいのかな?って何で私が悩まなきゃなんないの。さっさと起きなさいよね。
「朝、ちょっと冷えたし少しだけね」「ありがと。マハルくん、お散歩行こうねー♪」最近、人見知りが始まったけどマハルはきーちゃん大好きで、きーちゃんの声に何か返事してるようにおしゃべりしてる。このツーショット可愛すぎる。「マハルくんのお粥作る?それとももっと後にする?」離乳食開始と共にきーちゃんもマハルの為に色々と勉強してくれていて、とっても助かる。「今食べちゃおうかー」「作るね!今日は人参いれるねー」なんが、一種類づつ野菜も増やしてみたらいいって覚えてきたらしく、少しずつ入れてくれる。しかも、ちゃんとどれ位食べたかとかその後の様子なんかもメモしてるし。いいお母さんなりそうだよね。私、絶対こんなに出来ないわ。
「マハルくん、ママとご飯食べなねー♪」ときーちゃんが私の朝食も持ってきてくれた。なんて氣がきく子!旦那じゃないけど、一生手元に置いて嫁に行かせたくなくなるわ。「にんじんさんはねーあまーいよ。でもかぼちゃんよりは野菜だよー♪」何の歌よ。かぼちゃんって。かぼちゃより野菜ってなに?笑「行けるクチですなー」マハルは氣に入ったようで、めっちゃ食べる。びっくりだわ。基本、離乳食サクサク進んでる方だと思う。食欲あって美味しくいただけるのは良いことだよ、息子よ。
「きーちゃん、お料理上手なったよねー」時々、真ちゃんが居なくてもおばあちゃまに呼ばれて真ちゃんの実家へ行くきーちゃん。そこでお料理も教えてもらってるみたいで、多分レパートリーは私を軽く超えてると思う。旦那に「キリコは基本パスタに何かしら混ぜりゃええと思ってるやろ」と言われる程度なので、私のレパートリーって知れてるんだけども。アクセサリーとか服とか作るの好きだし、何かを作るっていうのが向いてるのかしら。
「あ、おはよー」ご飯を食べてると、真ちゃんが起きてきた。めっちゃ寝起き。いつも私が起きた時はバシっと行動スイッチ入ってるからめっちゃ寝起き姿はある意味レアだわ。「マハル、美味しいか?人間に近づいてるなー」朝起きてそれか!人間って。うちの子、ちゃんと人間だけど?小さい子に慣れてないって言う割に、真ちゃんもマハルのこと可愛がってくれるよね。ヤンキーは意外と子供好き説が私の中で確定しそう。「ご飯ねー、用意してるんだけどマハルくん食べたらねー」「自分でやるわ」と台所へ。きーちゃん、みんなの分用意してくれてるのね。ホント出来た娘よ。うちの子。
「きーちゃん、今日ちょっと出かけん?」朝食を食べ始めた真ちゃんがきーちゃんに誘ったけど、「マハルくんとデートするからダメー。」と断られてる。マハルとデート。笑お散歩ね。マハル、最初のカノジョは年上のオンナだね。笑でも、これ昨日言ってたやつだよね。その為のお誘いだよね。「きーちゃん、マハルさっき初めて人参食べたし、家で様子見とくから行ってきたら?」もっともらしいことを言ってちょっと助け舟。「んーーー。そうかー。じゃあお出かけ連れてって貰っていい?さっき断っちゃったからもうダメ?」ときーちゃん。「必殺、上目遣い」もイタについてきたよね。この技、旦那と真ちゃんに対しては特に効果は絶大だ。面白いくらい。
「じゃあ、いってくるねー」きーちゃんたちが家を出ようとするとぐずりだすマハル。ちょっと、後追いって早くない?てか、私結構傷つくんだけど?まあ、半分お母さんみたいなもんだから仕方ないっちゃあ仕方ないけど。私、もうちょっと真面目に育児しなきゃいけないかしら。イザって時は私じゃないとダメなのはダメっぽいからいいか。
何のことは無い、マハルは眠たかっただけですぐに寝てくれたから私、暇。旦那は昨日飲みすぎてまだ寝てるし。休みの日に、午前中からこんなに時間に余裕を感じるの珍しいよねー。と思いながら、マハルの隣でゴロゴロする。特にやることないと、結構難しいことってなんだろう。って氣になりだすよね。しかも、わざわざきーちゃんの話を聞いてあげて。とか。考えても思いつかない。氣になるよねー。そんなことをしていると、ようやく旦那が起きてくる。休み万歳な生活リズムね。旦那が食事を終えると、マハルもちょうど起きたので家族3人でおでかけすることにした。この家族構成が本当なんだろうけど、すごく新鮮。「なんか、家族足りんな。年頃の娘は親とは出かけん言うやつか?」と旦那も似たようなこと言ってるから笑える。
「アキちゃんから何か言ってきた?」私へよりもまず旦那に話をするだろうと聞いてみたけど今はまだ無いらしい。アキちゃん自身が期限のことを忘れたわけじゃないよね。なんて逆に不安になる。
「ただいまー」明るい声できーちゃんが帰宅したのは夜。あれ?難しい話は?「おかえりーどこ連れてってもらったのー?」あくまでも自然に。テンション低く帰宅するかと思ってたからちょっと拍子抜け。真ちゃんから晩御飯いらないって連絡もらって、法隆寺まで行ってたの知ってるけどね。「厩戸ツアーしてきたよ。多分ね、厩戸皇子が見た景色見てきたー♪氣分は厩戸皇子ー♪」最近読んでる漫画だね。ハマってるもんね。
で、難しい話は?よし、氣になるから奥の手使おう。「きーちゃん疲れてる?」「全然♪楽しかったから元氣やで」「お風呂行かない?」旦那にマハルを預けてお風呂屋さんに行こう。「いいの?」「ってことだから、マハルよろしくー」と旦那に言ってみる。「おー。行ってこい」空氣よんだか?快く送り出してくれる旦那。
突っ込んで長話する時は露天風呂に限る。「あのさー、真ちゃん何か今日言ってたん?」きーちゃんには直球だ。「ねーさん、知ってたん?」よし、かかった!「何の話するか知らないんだけど、もしかしたらきーちゃんにとって難しい話かもしれないってのは聞いたから氣になってさー」あくまでライトに行く作戦。「んーー。難しい…うん。難しい」考え込んでしまった。だから、なにーー??
じっくり聞くか。その為の露天風呂。
法隆寺に行って最初は観光した2人。その時にやっぱりその話をしたみたいで。
メインは進路の話。就職を希望するなら、それでもいいけどやっぱり高校行った方がいいと真ちゃん。ご両親に進学するにしても話さなきゃいけないけど、もし、これからの生活のことを氣にしてるなら心配しなくていい。高校のこと含めて真ちゃんが面倒みるつもりだから心配するなって言われたんだって。「もう、ずっと面倒見てもらってるんだけどね。真ちゃんだけでなくてねーさんや美樹ちゃんにも」と言うきーちゃんはすっかりお姉さんの表情。私たちが協力してきーちゃんを育てようと言っていることは、きーちゃん自身が氣にしそうだと言う理由で敢えてきーちゃんには話していなかったけど、ちゃんと感じ取ってくれてたんだ。
「ちゃんと働いて、自分も面倒見てもらわなくても大丈夫なようになりたいんだ」と言う。「高校ってどんなのか全く想像つかないから行きたいって思わないんだけど、ねーさんも真ちゃんも美樹ちゃんも行っておいた方がいいって言うから行った方がいいのかなとも思うねん」旦那、いつの間に言ってたの?ああ、また疑問が増えた。「でも、なんか親に学費出してって言うのが嫌だから働きながら行ける高校があるって聞いたからね、そこなら大丈夫かなーって思ったのね」定時制だね。旦那も私も定時制通ってた。「その話を知った時にちょうど美樹ちゃんが居たから、こうやってしたらいいかな?って相談したら行けるなら普通の高校のがええと思うでって」確かに定時制高校大変だったし。てか、そんな相談受けたの知らなかった。「ってなったら、学費だよね。私が行けるなら頭悪いから多分私立で入れる所じゃないかって友達とも話しててね」学校でそんな話するようになったんだ。なんか、嬉しいわ。「だったら私立ってどんなのかなーって友達と調べたんだけど、とてもじゃないけど親に言ってもダメな氣がするくらいでね。どうしよう。って思って、やっぱり高校行かないで働いた方がいいかなー。ってこのループやってん。」きーちゃんがこんな風に考えてるなんて、驚き。凄い成長じゃない?「だからね、今日、真ちゃんが高校のこともこれからの生活も心配せんでええでって言ってくれたのね、嬉しかったんだけどね…」だけど。が付くのね。
「全部面倒みてもらってもいいのかなって」やっぱり、なんか大人になった疑問だ。「前にね、美樹ちゃんにずっとここで暮らすのって聞いたん」なんだって!?それも聞いてない!「美樹ちゃんは、暮らせるならいいけどどうなんやろなぁって。今の生活結構楽しいし今すぐどうしようって考えてないけどって」それは言ってたね。第二の期限はきーちゃんが成人する時。それまでは一緒に暮らすつもりだけど、それこそ高校の後大学へ行きたいと言ったりするとまた話が変わるだろうとも話している。「でも、もし私がここよりも行きたい所が出てきたりしたら行ってええで。でも、最後にはここに帰ったらいいよって」あらあらあら。やだ、お父さんやるじゃない。
「私ね、やっぱりここがいいねん。時々沈んじゃうんだけど、やっぱりここに帰りたいって思うねん」これ、今日一番嬉しいかも。「でも、それって私だけがみんなに迷惑かけて一人でラク出来てるからなのかなって」それは違うよ。私は全く迷惑って思ってないから!「迷惑かけないで、ここに居るならやっぱり働けなきゃいけないかなってまたループやねん」一旦ループに嵌ると出られないよね。「それもね、今日真ちゃんに言うてん」そうなんだ。
そこからの面倒みる発言?まあ、きーちゃんにこう言っておけば心配させずに済むもんね。きーちゃんには私たちの方針は話していない。こんなことはまだきーちゃんは知らないでいい。「だからね、高校行く間心配せんでいいって。迷惑じゃなくて、真ちゃんがしたいと思うから面倒みるんやって。」お、カッコイイ。やるな。「でもね、もしみんなが『誘拐した』ってされたらとってもとっても嫌なん。だから働きたいのもあるねん」なんか、ちらっと言ってたね。「そしたらね、その事は大丈夫だからって。昨日ね、うちの父親と話して来たからって」
えええぇぇぇ!!これには思わず声が出た。
「勝手なことしてごめんなって。本当は私に先に言わないとあかんことやってんけど、先に父親と話しておいた方が私が決めやすいかと思ったって」「何を話したって?」「色々話したよって言ってたけど。まず、中学でたら一緒に住みたいってことと」今は便宜上、一人暮らしの私のうちに居てると説明済。便宜上ね。笑「今、進路で悩んでて就職希望してるけど高校に行って欲しいと思ってることと」うんうん。「でも両親に進学したいと言うことに抵抗があるってことと、だから一度聞いて欲しいってことと…後なんだっけ?」「でもね、話したらね、卒業して一緒に住むのも進学にしても就職にしても好きにしたら良いって言われてね。ただ私立だと学費を用意しないから自分でなんとかしたら行けばいいっていってたみたいでね。」じゃあ、公立かぁ。うち、きょーだい多いから。と笑うきーちゃん。「だから、まだ若いし何言ってるねんって言われるだろうけど、その辺真ちゃんと私とで考えさせてって。面倒見る覚悟あるって言ってくれたみたい」あら。あらあら。ちょっと盛り上がってきたわよ。と上がるテンションを隠しつつ「お父さんはなんて?」と聞いてみた。「それも好きにしたらええって。そう言うんじゃないかなーって思ったけどね」と笑うけど、悲しそうだった。「父親とそんな感じで話してきたから生活のことも、学費とか『誘拐』って言われることも氣にしないで考えなって」
やるじゃん!ちょっと待って。新たな疑問が。「なんで真ちゃん、きーちゃんのパパと連絡取れたん?」「こないだ、うちの人たちとご飯行くことなっちゃった時あるやん。その時名刺交換してた」なるほど。めっちゃシンプルだった。
「本当はね、進路のことちゃんと考えて決めてこうしたいって最初から最後まで私一人でやらなきゃいけないことだからお節介してるの分かってるし、私の為にならないのも分かってるからごめんって凄い何回も言うねん。」確かにきーちゃんが乗り越えなきゃいけないこと。と言えばそうだろうけども。「生活のことも高校行くとしてそのことも真ちゃんが面倒みるってことは、私が負い目感じてしまうだろうって思うけど、それでもそうしたいって思うって。やっぱりごめんって言うねん。負い目感じて私は好きなこと出来んくなるかもしれんのも分かってるって」そうなるだろうな。と納得。
「負い目感じなくていいから、面倒みさせてって。これは真ちゃんがやりたいことだからって。もし、高校に行ってやりたいことあったら、氣にせずにしたらいいし、今みたいに絶対この生活しなくてもいいし、実家にもし戻りたくなったら戻ってもいいから、面倒みさせてって」
「みさせてって言うんだけど、これをしようと思ったらちょっと家を巻き込むから、少し大変かもしれんって。それが私の負担になるかもしれへんから、それもごめんって」家を巻き込む?この家じゃないよね。どういうことだろ。
「今日ね、真ちゃんにいっぱいごめんって言わせちゃってん。全部私が悪いのに。」「きーちゃん、悪くない。まだちゃんと全部見えてないけど、それだけは絶対違うからね」
「ほんとはね、すっごく嬉しいねん。心配だったこと沢山ね無くしてくれたから。まだ、ここに居られるし」ここに居たいと思ってくれるのね。そんな場所になってるのが嬉しい。「でもね、真ちゃんに甘えちゃったらね、私じゃなくて真ちゃんが好きなこと出来なくなりそうって思うねん。今もいっぱい我慢してくれてるのに。もっとしんどくさせちゃうから。私がそんなに幸せでいいのかなぁ。真ちゃんを我慢させて一人で幸せでいいのかなって思うねん。私がそこまでして貰ってもいいのかなって」「きーちゃんさぁ、ちゃんと真ちゃんの話聞いたん?真ちゃんはこうしたいって思ったって言ってたやん。だから、きーちゃんのパパにも話したんでしょ?そこまでなかなか出来ないと思うよ。それ位のことを越えてでも真ちゃんがそうしたいって思ったんじゃないかなーって思うけど?」多分、思っても実際出来ないと思う。私みたいに。
「我慢させるんじゃないよ。きーちゃんが考えてこれからどうしたいのか決めて真ちゃんが言ってくれたようにするのってさ、我慢じゃなくて嬉しいことだと思うよ。だから、きーちゃんは自分でどうしたいかって決めなきゃ。それでも高校じゃなくて働きたい。って思ったらそれでいい。働かなきゃじゃなくて、働きたい。だよ。」きーちゃんは黙って聞いてる。「これだけのことを真ちゃんがしたいって思うのはきーちゃんだからなん。これはわかるよね?きーちゃんはおばあちゃまにも言われたでしょ?自分に自信を持ってしっかりきーちゃんじゃなきゃ。きーちゃんが今やらなきゃいけないことは、真ちゃんの氣持ちを正しく受け取ること。我慢させるんじゃないんだよ。きーちゃんはどうしたいのかって決めること。あとは、真ちゃんにごめんって言わないでって思うならそれを言う。ちゃんと今の氣持ちを伝えなきゃわからないよ」きーちゃんは何度も頷く。
「もしね、真ちゃんの言ってくれた通りにしても大丈夫なのかな?」「おバカー。きーちゃんがそう思ってそう決めるんでしょ?決めたらそれを真ちゃんに伝えるの。それでいいって言ったよ?」「ちゃんと考えて決めるー。ねーさん、ありがとー」そりゃ、きーちゃんにはちょっとヘビーだわ。うん。まさかきーちゃんパパと話しに行ってとは思わなかった。ちょっとびっくりしたけど。問題も出てきそうだけども。
多分ね、きーちゃんは聞いたことしか捉えてなくてその奥にもいろんなことが隠されてる氣がするけど、そこまでつっこんだらきーちゃんはオーバーヒートするだろうし、真ちゃんのことだから、その辺もしっかり分かってるから「好きなことしたらいい」って言ったんだろうなーと思う。
にしても、真ちゃんすごいな。旦那も親御さんと話すつもりではあると言っていたけども。そして、それだけのこと言われても好きなように決めたらいい。と言う親かぁ。きーちゃんの背景が少し見えたような氣がした。
露天風呂でしっかり温まりすぎる位温まった私たちが帰宅すると、旦那と真ちゃんはウッドデッキでタバコを吸っていた。マハルが居てるからなんだろうけど、2人そろって外に出てくるってどうよ。「湯冷めしてへんかー」と言ってきーちゃんと喋る真ちゃんを見る目がちょっと変わったかもしれない。ホント、この2人、不思議だわ。さて、きーちゃんはどうするんだろう。
きーちゃんとマハルが寝た後、リビングで旦那と飲みながらきーちゃんから聞いた話をしていると真ちゃんが顔を出した。「きーちゃんから聞いたよ」「それやけどな、すまん!」いきなり謝る真ちゃんに驚いてポカーンとマヌケヅラで見てしまった。真ちゃんは私たちと協力してきーちゃんを育てて行こうと言っていたのに自分の一存で私たちに言う前にきーちゃんのパパに会って話をしてきたこと、そしてきーちゃんに言った学費の件は自分が用意するつもりでいると言った。「それもみんなで出し合おうって言ってたし、真ちゃんだけで負担しなくてもいいよ」きーちゃんが言う通り私立の学校となれば、学費はもっとかかる。けど、旦那と話し合ってそうなればローンを組んで私たち夫婦が用意しようということでまとまっていた。それは親御さんと話をした後に真ちゃんに話そうと思ってたから私たちも水面下で勝手に動いてたようなものだし、真ちゃんが謝る必要はない。と旦那が真ちゃんに伝えた。「その件な、あの話をした時はマハルの妊娠前やったやんか」うん、その通り。割とその直後に妊娠が分かったわけだけども。「マハルが産まれてその時から状況は変わっとるやん。だからもっと早く2人と話しておけば良かったんやけど…」自分は結婚して家庭を持っているわけでもないし、そんな相手が居るわけでもないから経済的な話だけで言うと自由がきく。だから、私たち夫婦は特に進学関係の費用はマハルの為に用意して使って欲しいと思う。と言った。「経済的な所以外で2人に頼ってしまうかもしれんけど、それがいいんじゃないかと思って先にキリエの父さんに話しに行った」マハルのことも考えてくれていたと分かって嬉しくなった。「真弥の氣持ちはありがたいけど、逆にそれを言うたらお前がもし相手が出来て将来を考え出したらどないすんねんな」「それはない」真ちゃんは断言した。「分からんやないか。今はきーちゃんの事が氣に入ってるみたいやけど、まだきーちゃんは中学生やしお前かて若いからどうなるかなんて分からんやんか。真弥がきーちゃんの学費やら面倒見てる間にそんな相手が出来る可能性やってあるやんか」「絶対ない」「可能性の話やんか。それに真弥が今のままきーちゃんを氣に入ってたとして、きーちゃんにオトコが出来ても耐えられるんかいな。そのオトコに面倒見てもらえって言うわけにいかんで?」きーちゃんを見てると高校生になったからと言ってすぐに彼氏がどうこう言うことは無いだろうけど、一般論みたいな例えだろうな。「それも考えた。万が一、キリエにそんな人間が出来たとしても、キリエは氣を遣って行動に移せんことも想像できる。オトコの話だけでなくて、多分全てにおいて遠慮する。だからそれを盾にしてキリエの自由を奪って手元に置いておこうとアキラと変わらんことをしようとしてるのも分かってる」きーちゃんに謝ったのはこの事だな。「真弥の氣持ちは分かった。これは一旦保留にしてええか?けど、きーちゃんにどう進路について話そうかと思ってたし親御さんとも話をつけないとあかんとは思ってたから正直真弥が話をつけてくれて助かった」かわいいと言うだけで育てられないことも分かってるし、現実的に経済的なことだって関わってくる。今は私たち3人が働いているからそれなりに収入があって、生活に困ることはない。けど、きーちゃんをみんなで育てよう!と綺麗事だけで今まで来てしまったんだと思った。それこそ家族ごっこをして満足してたんだと反省した。
寝室に戻ると、旦那に真ちゃんが言っていた件についてどう思うか尋ねられた。マハルのことを考えてくれてたのは本当に嬉しかった。けど、マハルが産まれました。だから真ちゃんが良いっていってくれたからって学費は真ちゃんよろしく!って投げるのは抵抗はあるから、当初予定通り協力して進学させる方が私の氣持ちはおさまる。と答えた。そして、今まで困らなかったから現実的なことを考えずに家族ごっこをして浮かれてしまってたことは反省してるとも伝えた。旦那も同じだと言った。「ただ、真弥も意外と頑固で言い出したら聞かないから納得せんやろなぁ」と笑う旦那。それも同意だわ。
結局、今後の経済的な話は真ちゃんが言う通り学費に関しては真ちゃんに甘えることにして、それ以外ではうちが負担していくことに決めた。それで真ちゃんが納得してくれたらいいんだけど。