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Another story 52.ねーさんの家出。
黄泉の国行きのバスを待ってた夜バス停のベンチで寝て居た私を真ちゃんが見つけてくれたらしい。
思ったよりも長い時間過ごしていたみたいで、真ちゃんが見つけてくれたのは私が覚えている時間から3時間が過ぎていた。
それから2日熱が下がらずに朦朧としていたみたいだけど、覚えていないから私の魂は本当に黄泉の国に居たのかもしれないなと漠然と思った。
「黄泉の国ってどんなとこやったん?」
熱を出してしまったから予定から3日遅れて2人で住む家に戻ってきた。
お茶を飲んでいると急に真ちゃんが言い出した。
「暗くて明るくて…身体中は痛いんだけどね、でもすごく穏やかだった。黄泉の国のイメージ変わったよ。」
「また、行きたくなるくらい?」
もしも、まだこうやって真ちゃんと過ごせるならここでこうしていたい。
でも、この世界の真ちゃんには新しく家族が出来るんだ。
それなら、幻でも私だけの真ちゃんが居る黄泉の国がいい。
ここに居る真ちゃんが黄泉の国に居た真ちゃんならいいのに。
「あのさ…」
お嫁さんが来る話?聞きたくない。
今食べたくないからって言わずに探し出して無理やりにでも黄泉竈食ひをすれば良かった。
「シードラゴンに会うのを邪魔したから?」
え?
私が想像してたのとは違う言葉を投げかけられてビックリ。
「キリエを迎えに来てたのに会わさんかったからシードラゴンの所に行くの諦めて黄泉の国に行くことにしたん?」
何でそんな顔するん?
もうすぐ新しい家族が来るんでしょ?
何でそんなに悲しい顔するん?
ねーさん達が結婚するって言った時、ねーさん達は楽しい顔してたよ。
「キリエが1人で黄泉の国へ行こうとしたのに楽しいわけないやろ」
いつもとは違う真ちゃんの声に身体が強ばる。けど、ここで怖がってたらダメだ。
「家族が来るんやろ?楽しいことじゃないん?だからおばーちゃん達とお話してたんやろ?今度はちゃんと邪魔せんと帰ってこないから悲しい顔せんで」
「違う!何でキリエは居なくなることしか考えられへんねん。ここやったらあかんのかって」
ここに居たいけど、
「幸せだと思ってもすぐ落ちる。1人じゃないって思った瞬間にまた1人になるんやったら、それなら最初からずっと1人がいい。もう家族もいらない。幸せのカタチにもなれなくていい。それなら一緒に居るのは黄泉の国に居た真ちゃんの幻がいい。1人になるんやったらこの世界になんて居たくない。」
シードラゴンの所も、兄ちゃんの所にも行けないなら今すぐ消えてしまいたい。
何で私は生まれて来たんだろう。
何で早く消えたいと思うのに、楽な方に楽な方に流されて生き長らえてるんだろう。
光が痛い。頭が割れそうなくらいに痛い。
何で真ちゃんはそんなに悲しい色をしてるの。割れそうな音を出すの。
その音が頭の中で反響して余計に頭が痛い。
何で黄泉の国の真ちゃんと同じようにぎゅーってハグしてくれるの。
ああ、頭が割れそうだ。
でも、真ちゃんがぎゅーってしてくれると落ち着く。やっぱりハグして貰うの好き。
「新しい家族なんて迎えへん。そんなんいらん。キリエと引き換えにしなあかんならもっといらん。シードラゴンの世界にも黄泉の国にも行かんでいい」
またいきなり奈落の底に落ちる前触れなのかな。
それか、今度こそ本当に幸せだと思ってもいいのかな。
頭が割れそうに痛いから、また黄泉の国に戻るのかな。
今せっかく本物の真ちゃんが私を見てくれてるのに。
ねーさんが言うみたいに犯罪者の思考で危険でもいい。どこにも行かずに家の中で私を観察してくれたら良いのに。そうしたら私も真ちゃんが誰かと楽しそうに喋るの見なくても済むのに。
「キリエが嫌やって言うならどこにも遊びに行かんし、必要なこと以外誰とも話もせぇへん。だから何処かに消えようとせんで。姫さんでここに居って」
なんで何回も光が重なって、ここに居ていい、ここに居たいと思ってもすぐに揺らいでしまうんだろう。
本当は、真ちゃんが名前を呼んでくれる所に居たいのに。
今回は体調が完全に戻るまでに時間がかかってる氣がする。
意識がはっきりとしないというか、何だか靄がかかってるみたいな感じ。
時々靄が晴れると色んな所から言葉が降ってくる。
綺麗な色がする言葉だったり、怖くて暗い色がする言葉だったり、いろんな音もして騒がしい。
出かけると色んな刺激が強すぎて目眩がして氣分が悪くなる。
体力も急激に落ちたみたいで少し歩いただけでも貧血みたいになって立てなくなる。
「いつ治るのかな」
買い物の帰り。
普段1人で行っていた買い物も黄泉の国から帰ってから行けなくなってしまった。
一度、買い物に行こうとした時、商店街を抜けてスーパーに行く間に立てないくらいに目眩がしてしばらく端に座って凌いだ。それを真ちゃんに言うと買い物も一緒に行くから1人で行かなくていいと言ってくれた。
すぐに大きな病院で検査を受けたけどやっぱり貧血だとかそういった疾患はなく、結果、先生は私の体質のモノだろうと言った。
買い物だけでなく引き続き寝る時にまたワープしないようにしてくれて、本当に真ちゃんの自由を完全に無くしてしまった。
「焦っても仕方ないで」
「分かってるけど電車に乗れるのかな。もうすぐ終業式だし、バイトもあるし」
「バイト無理して続けんでええねんで」
真ちゃんはそう言ってくれるけど、少しはきちんとしたい。
「きーーーちゃーーーん♡」
バイト先で一番聞くことが無いと思ってる声がした。
マハルくん??
バイトが終わる30分前、いつものように真ちゃんが迎えに来てくれた。
そして、ねーさんとマハルくんが居る。
え?
二度見、三度見。
何で?
間違いなく、ねーさんとマハルくんがお客さんとしてテーブルについている。
「職場参観ー♪エプロン姿もかわいーねー♪」
お冷を持って行くとねーさんが言ってくれた。
やっぱりねーさんだ。何で?今日来るって言ってた?聞いてない。
バイト中、氣になってねーさん達をチラチラと見てしまう。
「おねーさん、綺麗やなー」とバイト先のお友達。
そうなの、私のおねーちゃん、綺麗なの。
でも何で居るの?
聞きたいことしかないんですけど。
お姉さんがせっかく来てくれてるから。とバイトを早めに上がらせて貰えてラッキー。
いつもは着替えに時間かけるけどダッシュで着替えてねーさん達のところに走った。
お家に帰ってダッシュでご飯を食べてお風呂にもダッシュで向かう。
ねーさんには聞きたいことたくさんある。
まず何より何でいるの?を聞かなきゃ。
「キリコがおるからってシャワーで済まそうとしたらあかんで。今日バイトやってんから」
お風呂の用意をしてたら真ちゃんが来て言った。
よくお分かりで。
シャワーだけにしてさっさと出ようと企んでるのバレてた。
学校やバイトのあった日、お風呂は塩浴だったり日本酒を入れて入るんだー!とチェックが厳しい。
けど…。
「何で一緒に入ろうとするん」
真ちゃんまでお風呂に入る支度を始める。
「あかんか?」
「ねーさん居るから絶対あかん!あっち行って!」
ねーさん来てくれてる時までシャンプーしてくれなくていいですから。
可愛い妹は高校生になっても1人でお風呂入れないのかってねーさんに心配されちゃうでしょ。
お風呂から出るとリビングからねーさん達の声が聞こえてきた。
誰かと真ちゃんが楽しそうに話すの見るのは嫌だけど、ねーさんと楽しそうに話すのを見るのは何の話をしてるのかなって思うけど全然嫌じゃない不思議。家族だからかな。
「まだちゃんと乾いてないでー。ドライヤー持っといで」
リビングに戻ると真ちゃんにやり直しを命じられてしまった。
結局リビングで真ちゃんがドライヤーかけてくれるけど、ねーさん、自分でドライヤーかけられないのかと心配しないかな。
と横目で見るとなんだかニコニコしながら私達の方を見てた。
ねーさんがここに居るの不思議な感じがするけどでも嬉しい。
髪も乾いて早速本題。
お家のことで美樹ちゃんのお姉さんとゴタゴタして落ち着くために来たんだって。
美樹ちゃんに内緒で!
「うち来るのはええねんけどさ、黙ってはあかんやろ。どれだけ心配すると思ってんねん」とホンキで頭を抱える真ちゃん。
ごめんね、それ私が勝手にワープしたりどっかに行ってしまいたいって言うからよく分かるんだよね。
こういう時、ねーさんに何て言えばいいんだろ。
オトナなら相応しい言葉を返せるのかな。
明日、美樹ちゃんが迎えに来るって言ってたし…
「ここ居る間はゆっくりしてね」
せっかく理由を話してくれたってのに、我ながら情けない返答。
「ありがとーー!しばらく居座ろうかな♡」
うん。居座るの大歓迎よ。
「居座んなしwwwさっさと寝てさっさ帰れwww」
真ちゃん、何てこというの!
ホンマにさっさと帰ったらどうすんの。
「真ちゃんこそさっさとお風呂行ってきて!」
リビングから追い出す。
絶対私より早く寝ることは無いからお風呂に入ってもらうのが一番。
「きーちゃん、強くなったねー」
何だか感心してくれるねーさん。
せっかくねーさんが居るからね、お風呂で思いついたの。
「じゃーーん」
おやつボックスと冷蔵庫からビールとお茶を取ってくる。
「あーー、夜のお茶会!既に懐かしい!」
ねーさん、乗ってくれると思ったんだ。
「ウッドデッキはないけどねー」
ここのベランダでお茶会しても大きい道路近いし煩くてちょっと興醒めしちゃうからリビングで。
「きーちゃんのボックス、チョコばっかやん。真ちゃんのおやつボックスはー?」
「こっちー」
ホイホイとバラすよ。
「おー。これ良いやん。これくらい行かなきゃ」と明らかに大事に残してるお菓子を取り出すねーさん。
背徳感、背徳感。
「あとねー、こっちにもあるよー」
テーブルにおやついっぱい。
アイスもね、出した。
おやつを食べながらおしゃべり。
前のお家に戻ったみたい。
ほとんど毎日電話してるし手紙も書いてるけどね、顔を見て話すと話題は尽きない。
「真ちゃんと仲良くしてる?きーちゃん放ったらかしで遊びに行ったりしてない?」とねーさん。
真ちゃん、放ったらかしどころかずっと見ててくれるから逆に申し訳ないくらいなんだよ。
「引越しの時にねーさんが真ちゃんに私も行くのかって聞いてくれて良かったー。ありがとう」
そうじゃなかったらどうなっていたか。
「ホントビックリしたんだからね。でも、無事新しいお家見つかって良かったね」
家具屋さんでの私の心配の話をし始めたねーさんはまた思い出して爆笑する。
なんか、恥ずかしいからもう忘れて。
ホンキで心配だったの。
「ホントにお誕生日来たら結婚しちゃえばいいのに」と笑うねーさん。
どういうこと?
「真ちゃんと結婚したい!って言ったら真ちゃん絶対喜ぶと思うんだけどな。むしろ、その方が私はホッとするわ。」
そうなん?
「そしたらきーちゃんがずっと心配してたこともなくなるし、結婚したら大人扱いだよ」
そうなん?それは知らなかった。
真ちゃんが私を誘拐したって学校から通報されることもなくなるの?
結婚ってことは前に来てたお嫁さんは?
この話はねーさんにしちゃってもいいのかな。いや、まだ話しちゃいけない氣がする。
真ちゃんは要らないって言ってたけど、おばあちゃんやいつも来るお客さん達はどう言うか分からないしやっぱり言わないでおこう。
「あ!何か盛り上がっとる思ったら…」
思ったより早くお風呂から上がって来ちゃった。
背徳感のおやつの証拠隠滅がまだなのに。
「しかもカステラ食べたな!」
「美味しかったよー♡」
ねーさん、強いなぁ。
背徳感を実行するためにはこれくらい強くないとだめなんだろうか。
あ、でも真ちゃんカステラ無くなったの本氣でショック受けてる。
背徳感じゃなくて罪悪感が生まれてきた。
「ごめんね、私のういろうあげる。抹茶味残してたん。ねーさんと背徳のお茶会したかったん」
おばあちゃんのお土産のういろうを渡す。
「背徳のお茶会ってwww」
ねーさんも真ちゃんも何だか笑い過ぎて撃沈中。
何か変なこと言った?
もっと夜のお茶会したいけど、ねーさんは寝室へ。
遠くから来たもんね。仕方ない。
明日美樹ちゃんが迎えに来ちゃうけど、もう一晩お泊りってダメなのかな。
ねーさんとマハルくんに寝室を使ってもらって私たちはリビングで寝る。
「リビングで寝るの初めてやんなー」
「雑魚寝感しかないけどなー」
タオルケットも一枚しかないし。
夏だからいいか。
ちょっと頭痛がしてきたけど、これ位なら多分寝られる。
「明日、大丈夫って言って」
明日は終業式ですぐ終わるけど、特に朝のラッシュにかかる電車が心配。
「大丈夫、ちゃんと行ける。けど、送ってくし迎えに行くで」
「でもねーさん達来てくれてるし、2人とも居ないとびっくりしない?」
「キリコ絶対寝てるってwww」
ねーさん、お休みの日はゆっくり寝てたけど。
「マハルくん起きたらかわいそうだし、やっぱり頑張る!」
「絶対無理しなや。途中で倒れたら電車大丈夫になるまで休学させるからなー」
明日、1日だけだから大丈夫。
だから光を分けてもらう。そうしたら頑張れそう。
登校前、真ちゃんに口酸っぱく「普通に乗って行くんやで」と言われ、登下校共に普通電車に乗って行ったら何とか無事に行って帰ってこれて一息。
駅から家までは近い方だと思うけど、早く帰りたくて体育の時よりも真面目にダッシュ。
玄関を開けるとマハルくんがダッシュでお出迎えしてくれた。
マハルくん、今日もかわいい。
ぷにぷにほっぺも健在。
「おかえりー」
ねーさんが「おかえり」を言ってくれるの久しぶり。ねーさんの家出万歳だな。
お昼ご飯を食べてしばらくすると美樹ちゃんから電話があった。
「今から出るって。着くの夜中だなー」とねーさん。
ってことは、今日もお泊りだ。
ねーさん達のお泊りも4人でお買い物も嬉しい。
商店街を歩くのも楽しい。
こうやってみんなでお買い物するのもそうだし、とっても嬉しい。
来世や黄泉の国に行きたいとワガママ言ってたクセに自分でも調子よすぎると思うけど。
「すごく楽しいし、嬉しい。黄泉の国行ってたらこうやって4人でお買い物行けなかったよね」
「せやで、かわいいマハルにも会えんかったで」
そうだよね。もう会えない所だったよね。
「止めてくれてありがとう」何だか自然に言ったけど、お前が言うなー。と自分にツッコミたくなった。
「どういたしまして」と真ちゃんは笑った。
晩御飯を食べ終わった後から体調が急降下しだして頭痛がしてきた。
「マハルと一緒にベッドで寝て」とねーさんが言ってくれたけど、美樹ちゃんが来るのに寝るの嫌だなぁ。
ねーさんがお風呂入ってる間、立ち上がろうとしたら倒れそうになってしまった。
「美樹が来るまで何とか頑張ろうとか思ってるんやろ」
真ちゃんに見抜かれてた。
うん、思ってる。
だって「いらっしゃい」したいもん。
「しゃーないなぁ」
絶対ベッドに強制連行されると思ったけどそれは免れた。その代わり何故かハグされる。
「充電。一回騙されたと思ってやってみって言ったやん」
言ってたね。私には滋養強壮作用無いから嘘かと思ってたけど、何かちょっと頭痛いの落ち着いてきたかも。
「真ちゃんには滋養強壮作用あるん?」
「何やそれw」
「ちょっと元氣出てきた。美樹ちゃん来るまで起きてられそう」
「それは良かった。でも今日は学校もあったしホンマはさっさと休んだ方がええねんからな」
昨日はバイトあったし、今日は通勤電車で揉まれたしで体力ゲージがそろそろ危ないのは分かってはいるんだけどね。
「自覚あるなら飛ばすのも控えな。キリコが来たからってはしゃぎ過ぎ」
それも良く分かっております。
「でも嬉しいねんもんー」
「ホンマ、キリコのこと好きやな」
「うん、大好きー。自慢のおねーちゃん」
「おねーちゃん言うかおかんやな」
「おかんでおねーちゃん」
そう、ねーさんはお母さんでお姉ちゃんで親友。
だから居てると嬉しくなるんですよ。
ねーさんによる美樹ちゃんの到着予想は午前2時頃だったけど、それよりも大幅に早く日付が変わる前に美樹ちゃんが到着。
早く着いて嬉しい。と喜んだのも束の間、美樹ちゃんは到着するなり土下座する勢いで謝るともう帰ると言い出してしまった。
いやいや、お仕事終わってそのまま来たんでしょ。しんどくないの?
流石に真ちゃんも「ちょっと休憩していきなさいな」と引き止めてる。
今日もねーさんとマハルくん、美樹ちゃんもお泊りしてくれると思ってたのに。
ねーさん、ご飯の時美樹ちゃん2日お休みだから明日もゆっくり帰るって言ってたよ。
「お泊りダメ?マハルくんねんねしてるよ?美樹ちゃんのご飯用意してるよ?美樹ちゃんの好きなの作ったよ?」
バイトのおかげで増えたレパートリーを披露したいんだけどな。
ねーさんだってビール飲んでるよ?
帰っちゃうのかなー。まだ一緒に居たいよ。
「きーちゃんら何か予定とかあったんちゃうの?」
私たちの心配してくれるんだね、嬉しい。
けど、「美樹ちゃんがすぐ帰っちゃう方が嫌」
それか、美樹ちゃん達が予定あるのかな。
美樹ちゃんは私たちの予定を心配してくれていただけで「もうちょっと居て」と説得を続けたら今日はお泊りして行ってくれることになった。
嬉しい。
喜んでさっきの充電が切れたかも。
お風呂に入っているとふらついてきた。
もう一回充電させてくれるかな。
美樹ちゃんやねーさん居てるからあかんかな。
お風呂から上がって真ちゃんの所に行ってみる。
「真ちゃん、充電させてー」
言うまで「嫌だ」って言われたらどうしようとドキドキしてたけど、普通に膝の上に座って充電させてくれた。良かった。
「やっと自分から来たなー」と笑われたけど。
「私からお願いしていいの?」
「おいでって言うてるのに何で聞くん」とまた笑われちゃった。
「黄泉の国の真ちゃんじゃなくて本物の真ちゃんも見てくれるんだ。嬉しい」
「もうずっと言うてるのになぁ。ようやく分かっていただけましたか」
もしかしたら、またいきなり落ちちゃうかもしれない。
1人になってしまうかもしれないけど、その時までは信じる。
今はみんなが一緒に居てるから。