Story 57.里帰り希望。

きーちゃん達の滞在6日目。カーテンをしていても、窓からしっかり朝日が差し込んで自然と目が覚めた。これは、健康的でいいかもしれない。これで朝もすぐに起きられるかも。何より広いベッドが快適。
清々しく始まる一日。のはずだった。朝食の支度をしていると、「居て良かったわー。こっちに越してくる準備しててね、ちょっと休憩に寄せてもらったの」義姉と姪が襲来。普通さ、朝に来る?普通さ、連絡して来ない?絶対休憩じゃないよね?まだ役所もあいてないけど。
「いつリフォームしたの?この間言ってなかったじゃない」義姉マシンガントーク。目眩してきた。
やばい、姪が動き出す前にきーちゃん達に教えなきゃ。これ以上何かあったら、きーちゃんうちに遊びに来てくれなくなりそうだ。
隙を見てきーちゃん達の部屋に向かおうかと様子を伺うと旦那と目が合う。旦那は頷いて「タバコ吸ってくる」と立ち上がる。私の意図を読んでくれたらしい。姪は、普通に冷蔵庫からジュースを取り出して飲んでいる。ここ、もうあなたの家じゃないんだけど?と一瞬イラッとしたものの大人しくしてくれるならと目を瞑ることにした。
「マンション買おうと思って。こっちにするか今の所にするかで悩んでて今日内覧行くのよ」そうでございますか。「リフォームどうしたの?」旦那がDIYいたしましたよ。「リフォームくらい援助できたら良かったんだけどねー」お氣遣いありがとうございます。
旦那が戻ってきた。「まだ飯食ってへんで今から食うけど氣にせんで」と言って旦那はご飯を用意を始める。そうだ、ご飯まだだった。「きーちゃん達、こっちでも大丈夫かな?」「出来たら呼びに行くって言うといたで」
きーちゃん達を呼びに行くと充電中。ご飯の用意を手伝ってくれようとしたけど、過呼吸になっちゃったらしい。「ホントやだ。めっちゃ感じ悪いよね」ぐったりしながら、きーちゃんが言う。「何も感じ悪くないから。まだ呼吸を意識して」そうそう、真ちゃんの言う通りだから。きーちゃんが落ち着いたようなので、そのまま朝食を食べようとリビングに向かう。

「いや、それ困るし」と旦那。内覧に行くと言ってた義姉は、姪のわがままに折れた。姪は行かずここで待ってると言い出した。ホント、困る。「いいでしょー。何で困るん?」と姪は言うけど普通困るわ。この子もこの子で幼いよね。違う意味で。
きーちゃん達は明日帰ってしまうから、今日こそ遊びに出かけようって言ってたからご遠慮願いたい。だから、私も旦那も必死で義姉に姪を連れてけと言うけど折れない。義姉は「家に置いててくれていいから」とか言うし。こんな躾のなってない子一人で置いて出かけるとか無理よ。
まだ膠着状態が続く。結構時間経ってる氣がするけど。「いいじゃん、私一人増えた所で別に変わらないでしょ」義姉は内覧予約の時間があるからと、さっさと姪を置いて出てしまった。なんだろ、モヤモヤするー。最初からそのつもりだったんじゃないの?満足げなのは姪のみ。
お弁当を作って公園にも行こうと言ってたんだけど、お姫さまのわがまま炸裂で却下。結局食材の買い出しのみ行くことになった。姪はあっちこっちの店に顔だして楽しそうだし、途中で友達と会って盛り上がってお茶してくるって。「高校生のおもり、こんなに疲れんの?」と食材を買ってないうちから旦那はギブ寸前。きーちゃんと真ちゃんはマハルと子どもの遊び場に連れていってくれて、私は旦那と買い物。きーちゃん達明日帰るのにこれじゃ意味ないやん。
マハルが遊んでいる子ども広場へ向かうと真ちゃんが居ない。「真ちゃんは?」きーちゃんによると、姪と仲間たちがやってきて真ちゃんを連れて行ったらしい。真ちゃんはもちろん初めは行かないと言っていたけど、あまりにも騒ぐのできーちゃんが行って来てと頼んだとのこと。
まったく。マジ勘弁。真ちゃんに電話するとフードコートにいるらしい。フードコートへ行くと、ハンバーガーを食べながら楽しそうな姪たち。もうウンザリするよね。ちょうど内覧が終わったらしい義姉から電話があってこの場で落ち合うことになった。義姉だけかと思ったら、内覧で義兄と合流したらしく姪たちの姿を見て義兄はものすごい勢いで謝った。普通の反応はこうだよねー。
姪たちが食べてる隙に退散。またきーちゃんが拗ねる…と若干頭を抱えつつきーちゃんを見ると、拗ねてない。あら?いや、まだ油断しちゃダメ。拗ねるって表現できない時は体調に影響するし。外で夕食食べようと誘ったけど、自分が作るからお家で食べたい。早く帰りたいと言った以外は普段通り。
帰宅して早めの夕食の後、旦那と真ちゃんは同級生の店に飲みに行ってしまった。帰りはタクシーだろうから行きは歩かせたけど、明日帰っちゃうんだよ。みんなでワイワイしたかったなー。
「結局、どこも行けなかったね。ごめんね」マハルと遊んでくれてるきーちゃんに謝る。1週間も居たのに、ほとんど家で過ごしてた。「なんで謝るのー?どっかに行くだけが楽しいじゃないよねー♪」と言ってマハルとダンスするきーちゃん。
1週間が早すぎる。「夏休み中来てもらってたら良かったかも」「それ、楽しそう」「何か疲れたー。大阪で2人目産もうかしら。きーちゃんが居るところで産みたいー」なんだ、こっち来てからのが氣苦労が半端ない。「里帰り出産しにくるー?」「里はここだけどねー。」けど、本当にきーちゃん達が居るところで産みたい。義姉たちは悪い人ではないと思うけど、合わなさ過ぎてしんどい。産んですぐに襲来なんてされたら持たないわ。「いいよ!ねーさん達が大丈夫なら里帰り出産して!マハルくん面倒みるから!ねーさんのお手伝いするから!」冗談には思えないきーちゃんの雰囲氣。「出来たら良いんだけどねー」「そうだよね。ごめんね。」そんなに泣きそうな顔しないで。
でも、本当はちょっと大阪に戻りたい。アキちゃんは相変わらずあちこち回っていてあの家にはたまに寝に帰ってるだけだと言っていたし、しばらくまた借りれないかな。旦那は無理だろうけど、時々きーちゃんに来てもらって手伝って貰うとかダメなのかな。と有り得ない考えが浮かぶ。このドタバタで参ったのかな。明日、きーちゃん達が帰ってしまうと思ったら多分、こっちに来てから最強のホームシック。旦那がダメだと言っても、離婚してでも大阪に帰りたい。そんな氣持ちになった。
「ねーさん、大丈夫?」きーちゃんの声で我にかえった。「ちょっと疲れたかなー」「顔色悪いよ。マハルくんお風呂にいれてベッド連れてくから先に寝てて」明日きーちゃん帰っちゃうから早めに寝るの嫌だなー。と言うときーちゃんはうふふ♪と笑って「帰る時ねーさんがしんどい方が嫌だから寝て。美樹ちゃんが帰ってくるまでねーさんの所いるから」と言った。
あー、マハルの時もそうだった。自分でも訳が分からないくらいに情緒不安定になってきーちゃんに泣きついたな。
結局、きーちゃんにベッドに連れていかれて、きーちゃんはマハルをお風呂にいれてくれた。ベッドで1人で横になっていると、やっぱり情緒不安定さは加速する。ホームシックはおさまらない。無茶苦茶を言うことは承知で旦那に大阪で産めないか言ってみようと決意して、旦那に電話した。
旦那は、まだまだ飲んでいるようだったけど相談したいことがあると伝えたらすぐに帰ると言った。電話が終わる頃にきーちゃんとマハルが寝室に戻ってきた。お風呂から上がるとすぐに眠たくなるマハルはきーちゃんに抱っこされてすぐに寝てしまいそうになってる。「ねんねするまで抱っこしてるね」ときーちゃん。
今のうちに、きーちゃんにこの計画を伝えたいけど、どう言えばいいか悩む。とても、非常識で無茶苦茶をいうのは分かってるけどそれしか考えられなかった。しばらくしてマハルが寝ると、きーちゃんはマハルをベッドに寝かせてくれた。「何か飲む?持ってくるよ」と言ってくれるけど、一緒にリビングまで行って言うことにした。
「美樹ちゃんは?ねーさんしんどくない?」計画を話すと真っ先に私たちの心配をしてくれた。まださっき思い立ったこと、自分でも無茶苦茶な事を言ってるのは分かってること、それでも大阪にしばらく戻りたいと伝えた。「もしね、美樹ちゃんがいいよって言って、兄ちゃんからお家借りれたらその間私も兄ちゃんち行く。ねーさん1人でマハルくんお世話して赤ちゃんお世話してって大変過ぎるもん。ちょっとはお手伝い出来るから」きーちゃんはしばらく考えた後にこう言ってくれた。「多分ね、赤ちゃん産まれるの3月でしょ?3月ってテスト休みでほとんど学校ないって言ってたからマハルくんとお留守番もできるよ」と私が不安にならないよう色々と考えてくれる。「でも、美樹ちゃん良いって言ってくれるかな」そこだよね。ダメだって言われたら離婚してでも大阪帰りたいとは、きーちゃんに言えなかった。
「ねーさん、やっぱり顔色悪いよ。ちょっと寝よ?美樹ちゃん達帰るまで私起きてるから大丈夫よ」そうだ、旦那たちがもうすぐ帰ってくるの言ってなかった。「ちょっと手も熱いし、寝よ?」きーちゃんに手を引かれてベッドに戻る。疲れただけなはずだけど、頭痛までしてきた。今日苛々し過ぎたかな。「ねーさん寝るまでここ居るからねー」きーちゃんがベッドの横に座る。
旦那たちが帰ってきた音がした。「どないしてん!」玄関が開いて旦那がダッシュで入ってきた。「ねーさんね、なんかしんどそうなん」「病院行くか?」旦那が心配してくれるけど、それよりもまず話がしたかった。
「美樹ちゃん帰ってきたから、私も向こう行くね。ゆっくり寝てね」ときーちゃんが立ち上がろうとする。「きーちゃんも居て。お願い」情緒不安定マックスここで来た。きーちゃんが部屋から出てしまうと1人になってしまう氣がして怖かった。「キリエ、ちょっと」真ちゃんが部屋の端にきーちゃんを呼ぶと、きーちゃんはそっちに行って何か話している。
戻ってくると、ベッドに腰掛けて「ねーさん、大丈夫。ちょっと充電ー」と言ってハグしてくれた。きーちゃんが撫でてくれる背中があたたかい。
ねーさん、大丈夫。だーいすき。私のたからもの。大丈夫。私の大事なねーさん、だーいすき。髪も、声も、全部だーいすき。ぜーんぶ、私の大事。
呪文みたいに小さな声で、きーちゃんが言う。きーちゃんの声を聞いていると、安心して、本当に充電されているみたいに落ち着いてきた。
「お話しはね、明日にしよ。帰るの夕方だから。ねーさん今日は休んでね。」しばらく背中を撫でてくれていたきーちゃんが言った。きーちゃんが離れると、落ち着いたのか急に睡魔がやって来た。「おやすみー」そう言ってきーちゃん達が部屋を出て行く。半分眠りに落ちながら、きーちゃんの笑い声が聞こえた。

夜中、何度か夢を見て目が覚めた。夢の内容は覚えていないけど、悲しいような、幸せなような夢だった。目が覚めるたびに、旦那も起きてくれて心配してくれた。

目の前で、黄色い着物を着た女の子が立っている。まるで時代劇のよう。「お世話になりました」泣くのを我慢しながら女の子は言う。見るからに上等な着物を着た男の人がその子の手を引き歩きだす。その子は何度も何度も振り向く。振り返る度に、涙をたくさん流している。思わず追いかけた。2人の足が止まって、その子は私の元に走ってくる。育てたかった。一人前になった姿を見たかった。もう二度と会えない。私はつけていた簪をその子の手に握らせる。足音が遠くなっていく。別れは初めてじゃない。だけど、この子はこの手で最後まで育てたかった。どうか、あの子に映る新しい世界が穏やかでありますように。どうか、私が二度と見ることのない世界をたくさん歩いていけますように。二度と会えないのなら、せめて、願うしかなかった。初めて自由が欲しいと思った。

目が覚めて、さっきまでの風景が夢だと氣が付くのに時間がかかるほどリアルだった。出てきた女の子に手渡した簪の揺れる飾りの感覚はまだ残っているようだった。そして、あの女の子の指の感覚も残っていた。
「やっぱり上がってきたな。朝イチで病院な」旦那の声がした。夜中から、熱が上がりだしてきたらしい。そのやり取りは余り覚えていなくて、旦那の言葉にも虚ろに答えながらさっき見た夢の光景を反芻していた。
また同じ夢を見た。けれど、連れられて行ってしまった女の子は私の元に居て、さっきよりもずっと幼かった。さっきよりもずっと幼いその女の子は私の前に座っている。私は何かを教えているようで、私が言う通りにその子が動く。真剣な表情がかわいい。帰り道、手を繋いで歩く。キラキラした目で一生懸命に話す姿を愛おしく思った。

マハルの泣き声が聞こえて、起き上がろうとするけど身体がだるい。足音が聞こえて「ママね、しんどいさんだから、ねんねしててもらおうねー」ときーちゃんの声がしてマハルを連れて行った。時計を見ると6時前だった。朝なのか夕方なのか。少しすると旦那が来た。「まだ下がらんな。病院あいたら行こうな」と言ってスポーツドリンクをくれた。冷たくて氣持ちいい。リビングに戻ろうとするから、呼び止めた。きーちゃんがマハルを連れて行ってくれたから早く戻って貰った方がいいかと思ったけど、一緒にいて欲しかった。「きーちゃんのこと、言われへんがな」と少し笑いながらも、隣に居てくれた。
次に目が覚めると、9時半を回っていた。旦那は昼前に病院に予約入れたから行こう。と言った。病院って予約制だっけ?と思ったら、きーちゃんが向こうで待つのも大変だし、風邪で他の妊婦さんにうつっても大変だから電話して聞いてみて。と言ってくれたらしい。電話すると、受付の終わった診察時間の最後の方なら混雑していないから体調をみて今の状態ならその時間に来るよう言われたそう。旦那は「きーちゃん、すごいな。向こうでの待ち時間とか頭なかったわ」と感心している。
マハルは朝からきーちゃんが見てくれていて、ご飯も用意してくれていた。洗濯や掃除も任せてしまったと旦那が言っている。「今日、帰っちゃうのにーー」ホント、何で今日に限って寝込んでしまうんだろう。明日から旦那は仕事だし今日で良かったと言えば良かったけど、やっぱり残念。
小さい足音がしてマハルがやってきた。手に何か持っていて、お喋りしながら私の横に置いてくれる。あ、自分のおやつだ。「ありがとねー」心配してくれてるのかなー。優しいなぁ。「居た居たー。マハルくん、きーちゃんとビデオ見よー。ママはもう少しねんねねー」ときーちゃん。「きーちゃん、ごめんねー」と言うと、「しんどい時に謝らないでいいの!」と笑う。マハルはきーちゃんの声に「はーい」とお返事をしてきーちゃんの後ろにくっつく。「では出発ー」と言ってきーちゃんマハル電車は出発。楽しそうなマハルの声を聞きながら、きーちゃんの頼もしさにありがたく思う。

きーちゃん達がマハルを家で見てくれて、昼前、旦那に病院に連れて行ってもらった。診察の結果は、風邪だろう。と。結構しんどくて、待合室では旦那に寄りかかってぐったりとするレベルだったのに拍子抜け。出来るだけ安静に。と言われて帰宅。風邪で良かったけど、なんだか腑に落ちない。だからと言って何かトラブルが見つかるよりもずっといいんだけどね。
帰宅してまた横になっていると、玄関できーちゃんの「じゃあねー」と言う声がして急いで玄関に走った。「ねーさん、寝てて!」てっきりもう帰ってしまうのかと思ったら、マハルを連れて買い物に行ってきてくれるらしい。なんだ、焦った。「帰るならねーさん寝てても声かける!」そう言うと「ねーさんも美樹ちゃんもちょっとゆっくりしてね。マハルくんはいただいてく!!」と言って3人で出かけて行った。
よかった。寝てる間に帰ってたら、後悔してもしきれない。夕方にこっちを出る予定だったけど少し時間をずらして、晩御飯を食べてマハルを寝かせたら出る予定に変えてくれたと旦那。旦那は他所で聞いたよりもずっと一緒に世話をしてくれるし長時間の留守を頼んでも平氣なんだけど、寝かしつけは何故か私でないと寝てくれないから助かると言えば助かる。けど、きーちゃん達時間をずらしたら帰るの夜中になるよね。悪いことしたなぁ。「きーちゃんが帰っちゃうよ。やだーー」熱が出てるのをいいことに旦那にわがまま言ってみる。「やだーーってしゃあないやん」と笑う。分かってるけど寂しい。しかも今日一日寝込んで全然一緒に居られてないし。
寝たり起きたり。「きーちゃん達、大丈夫かなー」買い物に出てくれてから3時間以上経ってる。マハルもお昼寝の時間にかかって機嫌悪くなってないかしら。「ちょっとマハルを遊ばせてから帰るって言うてたで」マハルをしっかり遊ばせてお昼寝してる間に、ご飯を作ってくれると言ったらしい。旦那もご飯くらいは作れるし帰らないといけないから無理しないでと言ったけど、自分たちが帰った後に夜中寝られなかったら大変だから今のうちに少しでも休んでいられるようにという意図があるらしい。ホント、有り難すぎて泣けてくるわ。
時間は19時。多分、もう2時間もしたらきーちゃん達が帰ってしまうのに体調は変わらない。熱も下がった感じがない。リビングから、みんなの声が聞こえてる。いいなー。喉が渇いたしそっちに行こう。
リビングに行くと、みんな心配してくれてちょっと嬉しい。きーちゃんはお粥を炊いてくれた。「ねーさん、今晩も泊めてね」ときーちゃん。
夕方、きーちゃんにマハルの一時保育申し込んだ?と聞かれて焦って電話したけど予約一杯で申し込めなかったそうで。「真ちゃん、仕事大丈夫なの?」ありがた過ぎて泣きそうだけど、旦那がお盆休みが終わるってことは真ちゃんだってそろそろ仕事始まるよね。「多少なら動かせるから大丈夫ですよ」一時保育を忘れてたって時点で、旦那は休みを延長させる、きーちゃんは1人で残って電車を使って帰ると各自色々と考えてくれたけど、真ちゃんが仕事の段取りをずらしてくれたことで、旦那は予定通り明日から仕事に行って、きーちゃんと真ちゃんは旦那が帰宅したら大阪へ帰ることにしてくれた。

翌日、熱はまだ下がっていなかった。きーちゃん達が予定変更してくれて助かった。体調不良で1人でマハルを見るのは大変だったと思う。
きーちゃんは朝から家のことを色々としてくれていて、マハルがお昼寝している間には真ちゃんと一緒に台所に立って昨日買い物に行って買ってきたものを作り置きして晩御飯と明日の食事もすぐに食べられるようにしていてくれた。
夕方には熱も下がっていて体も楽になっていた。リビングへ行くと、真ちゃんマハルきーちゃんと並んで眠っていた。その光景はとても平和で、ずっと眺めていたかった。
お茶を淹れて飲んでいると旦那が帰ってきた。「調子は?」家に入るなり心配してくれた。「熱も下がったよ」2人でリビングに戻ると真ちゃんが起きていた。
私がだいぶ回復したことを確認すると、きーちゃんが起きたら帰るわ。と言った。これ以上、引き止めるわけにいかないけど寂しい。どうしよう、無茶を承知で言ってみようか。反対されても、その時はその時だ。