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Story 72.きーちゃんの想い。
きーちゃんの春休み。きーちゃん達のおうちへ遊びに遊びに行くとリビングの隣のお部屋に滑り台が置いてあった。「前に来た時マハルくん氣に入ってたから真ちゃんが作ったんだよー」ときーちゃん。その言葉を聞いてマハルは「しん、すっごーーいねー」と目をキラキラさせて、息子たちは早速遊び出した。
「で、その真ちゃんは?」車も無かった。お買い物?「今日は社長さんに呼ばれて出かけたよ。でももう帰ってくると思う」社長さんとは、元々働いていた会社の社長さん。家の仕事が忙しくなって来たところに、きーちゃんの巻き込まれた事件があったから一旦退職して、仕事が忙しい時期に社長さんからヘルプで呼ばれてこうやって仕事に行くらしい。ヘルプで来てくれって言われるとか、真ちゃん実は出来るオトコなの?意外だわ。
きーちゃんがもう帰ってくると言った通り1時間もしたら真ちゃんが帰宅。すべり台を作ってくれたという真ちゃんを見つけてマハルは尊敬の眼差し込みで真ちゃんの後ろをウロウロ付いてまわってるから面白い。友好の証なのか真ちゃんが振り返るとマーブルチョコをひとつずつ笑顔で渡す謎行動付き。それが真ちゃんのツボにはまったらしく「かわいいじゃないか」と相手をするからマハルは更に真ちゃんにつきまとう。「真ちゃんにマハルくん取られた」全くきーちゃんの方に来ないときーちゃんがホンキで落ち込んでる。
夕食はきーちゃんと真ちゃんが作ってくれるらしい。「ミュージックスタートぉ♪」台所からきーちゃんがコンポのリモコンを操作。なんで3分クッキングの曲なのよ。いきなり脱力。ちゃんとテレビでフェードアウトする所でフェードアウトしてるし!「今日はお客さまがみえていると言うのに、いつもと変わらない献立、炊き込みご飯と春巻き、ちくわと根菜の煮物、和風ハンバーグでーす。お味噌汁はきのことお茄子とキツネでーす」きーちゃんち、いつもそんなの作ってるの?そういや、前も一食一食豪華だったわ。我が家もっと粗食…。キツネってなに?油揚げか。「研いだお米と作り置きの炊き込みご飯の具を用意して炊飯器にセットしまーす」作り置きとかすごいね。感心。「続いてはーBGMをかけまーす。」再びコンポのリモコンを取って再生。てっきりインストかと思ったら洋楽!しかも激しめ!その選曲のワケを教えて。「真ちゃんがハンバーグを作り出したので私はお味噌汁作りまーす」「キリエさんが炊飯器のスイッチ入れ忘れてます。このままいくと出来上がった時生米が炊飯器の中で待ち構えることになります」「こっそりスイッチを押したら、お茄子にとりかかりましょうー」途中、いきなりBGMに合わせて外タレっぽく2人で歌い出したり、「先生、本日のハンバーグのコツありますか?」とかインタビューしていたり…。これ何のコント?「3分クッキングごっこ」ときーちゃん。3分クッキングで歌い出したりしないと思う。
仲良いのはとっても良いことだと思うよ。きーちゃんも普通に台所立てるようになってるの、私とっても嬉しい。けど、普段からってことはギャラリー居ないのに何してんの?3分クッキングごっこにハマりすぎてわざわざシンセで3分クッキングのテーマを録音してMD作ったとか…何してんの?やっぱりこの2人謎だわ。
謎なんだけど、出来たご飯は完璧!マハルとタマキには子供仕様にしてくれるという神対応。「美樹ちゃん、まだしんどい?大丈夫?」席について乾杯したけど、珍しく旦那がまだビールに手を付けてないのに氣付いてくれるきーちゃん。ここに到着してすぐ疲れたと横になって休憩していたからそれを心配してくれてるらしい。ただまだ手を付けてないのはそれじゃない。よし、言うぞ。と意を決する。
「頼ってばかりでホンマに申し訳ないねんけどな」と私より先に旦那が話しだした。旦那がまだビールに手を付けてないのは、つい昨日発覚した3人目妊娠の報告&もう一度里帰りさせてほしいというお願いのため。次もこっちが良い。ってのは私の希望。最初、旦那にまたこっちで産みたいと言うと絶句していた。そして、結構長いこと家族会議して明け方に寝不足で出発してしまったから、到着してすぐ旦那がダウンした。と言っても、ちょっと横になると言ったらきーちゃんがソファーか和室でいいのにわざわざお布団敷いてくれて快適に寝たもんだから完全復活してるんだけど。
さすがに2回目頼むのは遠慮なさすぎ?引くよね?と自分の希望とはいえ不安になってきた。「いつから?今日から?嬉しい!ねーさんおめでとー!またお世話のお手伝いしていいの?」不安になっていたらきーちゃんの声。きーちゃんは喜んでくれたけど、真ちゃんの返事次第だよね。でも里帰りでお世話になるのはさすがに今日からじゃないから。「ええで。スケジュール教えてくれたら準備しとくわ」あっさりオッケー。「良かったー。腹へこむ間も無く次から次へと…とか言われるかと思った」とホッとして言うと「へこむ間も無くってwww」となぜかツボにはまったらしく爆笑するきーちゃん。2人は普通におめでとうと言ってくれてすごく嬉しい。きーちゃん達が良いと言ってくれたから明日、こっちの病院で受け入れてもらえるかと健診に行くことを伝えるとマハルとタマキをみててくれると言ってくれた。
「嬉しいのがいっぱい過ぎる♡」息子たちを寝かせてリビングできーちゃんとお茶を飲む。今日私たちが来たこと、私の妊娠、きーちゃんの所に里帰り希望のことらしい。そう言ってもらって私が嬉しい。「また赤ちゃんを抱っこ出来るなんて楽しみすぎる♪」「マハルが赤ちゃん返りしなきゃ良いんだけど」タマキが産まれた時を思い出すと少し不安。今度はタマキも赤ちゃん返りなんてことになったら…。「大丈夫でしょー。なってもかわいいのが増えるだけだしお得、お得」ときーちゃん。前回は本当にきーちゃんに申し訳ないくらいマハルの赤ちゃん返りが酷かった。「大丈夫よー。お母さん氣分味わえたなんてお得」「きーちゃん、いいママになれそうだよねー」何氣なく言った。きーちゃん自身が落ち着いてる今を見てるとそう思う。「んー、それは無いな!」即答。「今すぐじゃなくても分かんないじゃん?」「無いなー」頑なだな。まだ若いってのがあるから今はそんなこと考えられないかもしれないけど。私だって全く想像もしてなかったし。
2度目の里帰り。前と同じようなスケジュールでお世話になることになり、今回も経過は順調で臨月に入る前からきーちゃん達のうちに受け入れてもらうことに。
旦那が送ってくれる予定でいたけど、ちょうどきーちゃん達が仕事で近くまで来るので一旦うちに来てもらって、一緒に荷物を持ってもらうよう頼んだ。4歳2歳の荷物なんてしれてると思ったのに、意外と多くなったから助かる。「ねーさん、オムツはこんなに持ってかなくてもウチの近くで売ってるよ」タマキの買い置きオムツを指差すきーちゃん。「で、なんで赤ちゃんの布団持ってくの。赤ちゃんのお布団用意するって言ってたのに」と荷物を見てブツクサ言うきーちゃん。
夜逃げするのかという量の荷物をひとつずつチェックするきーちゃん。その結果、荷物が何故か半分に。「ほらな、言うたやろ」と旦那。全部いると思ったんだけどな。おかしいな。それでも荷物運搬に来てもらって正解。うちの車だけじゃ入らなかったかも。入っても狭かったはず。
「真ちゃん、真ちゃん、次のお休みポイントまで運転交代しないー?」サービスエリアで休憩中。運転したいんだけど、旦那が交代してくれないから真ちゃんに提案。「きーちゃんと女子組でゆっくりおしゃべりしたいんだけどなー」旦那も真ちゃんも「途中で産氣づいたらどうすんだ!」と言うけど大丈夫だし。「それに今昼食べたからキリエ絶対寝るで」「大丈夫よー♪」商談成立。「ねーさんの運転、久しぶりー」助手席のきーちゃん嬉しそう。私も嬉しい。
真ちゃんは、食後だからきーちゃんは寝てしまうと言っていたけど寝ることなく楽しくお喋りした。4月に就職した会社はとても楽しかったけど経営方針がちょっと問題だったらしく辞めることになってしまったらしい。「働いてた人はみんな良い人だったんだけどさ」ときーちゃん。辞めてからも時々会ってお食事に行ったりしているらしい。やっぱりおばあちゃまは「わざわざ勤めに行かなくていいのに」と言うけど、今は週3回位きーちゃんがいつも着ているようなゴスロリなお洋服を売っているメゾンでバイトしているらしい。「社員販売万歳よー」と言っている。確かに一着ずつが高価だもんね。にしても、きーちゃんから仕事に行ってるという話を聞くのは変な氣分。高校生の時もバイトしてたけど。おばあちゃまの言うようにきーちゃんは勤めに行くって何だか違う氣がするけど、きーちゃんは楽しそうだからこれは言わないでおこう。そのバイト先から加奈子のブランドがおいてある店に近く、帰りに寄ったりそのお店のショーにも出たとのこと。ショーには真ちゃんも出たと聞いて驚いた。「やっぱり背が高いしカッコ良かったよ。ステージ映えするね」分かる氣がする。
「記憶が…って前ちょっと言ってたでしょ、あれは大丈夫なの?」ずっと氣になっていたことを聞いてみた。「んー、ぼちぼち。ホントはダメなんだろうけどね」と笑う。「バイト行くのに支障出てきたら続けられないけど、まだメモ魔で済んでるから大丈夫。家では真ちゃんが覚えててくれるし」それよりもきーちゃん的に場所が問題だからそっちの方が大変だという。「結局2月から入れる新しい人見つかったから1月までなんだけどね」
一旦は落ち着いたけど、夏頃のちょうど前の職場を辞める前が一番大変だったらしい。通勤中に怪我をしてしまって、2週間休んだ時に真ちゃんの名前が思い出せなかった時はもうダメかと思ったと笑う。それは何時間かですぐに思い出せたけど、すごく怖かったと言う。「名前、すぐ出て来るだろうと思って仕事をしている振りして会話をしないようにしたけど真ちゃんにバレちゃった」「真ちゃんどうしたの?」「普通にね真ちゃんやでって教えてくれた」驚くこともなく、責めたり焦らせることもなく。きーちゃんの動揺が落ち着くように。こういう時、特に真ちゃんってすごいと思う。
12月だからリビングには大きなクリスマスツリー。マハルとタマキは「おーー」と言ってポケーっと見惚れている。いつ来ても小洒落てるな、このうち。と言っても、マハルタマキのおかげで雑誌に出てきそうなリビングも数時間すれば立派に生活感溢れるリビングに変わってしまった。タマキに至っては、盛り上がり過ぎて障子に激突して穴を開けてしまった。「ホントごめん、明日張り替える」と旦那と一緒に謝る。「タマキくん怪我無くて良かったねー」とやらかしたと理解してシュンとしてるタマキにきーちゃんが言う。「タマキくん、見ててー」ときーちゃんはテレビの横の引き出しから箱を取り出した。「それでね、きーちゃんが魔法をかけまーす」と言って紙を取り出して器用に汽車の形に切り取る。紙だと思ったらシールだったようで「タマキくんここにペタっとして」と渡す。タマキは言われた通りに穴の上に貼る。「後ろもちゃんと押さえて…じゃーん。可愛くなっちゃいましたー」タマキも「いぇーい」と言って手を叩いてるけど「いぇーい」じゃない。反省して。「ええよ。年末張り替える予定だから」と真ちゃん。どこまで寛大なの。でもホント氣をつけなきゃ。マハルに比べてタマキの方がやんちゃだから前より緊張する。「うち、ちっちゃいちゃん居ないから氣を付けないとダメな所あったら教えてね」ときーちゃん。子供用の椅子も2つ用意してくれていて、家より色々と細やかに配慮されてる氣がする。私達に用意された部屋は2階の1室。クローゼットを開けるとマハルとタマキ用の子供用のタンスやおもちゃの収納が用意されているし、フローリングにはきちんとマットが敷かれている。
きーちゃんがバイトに出かける時は朝が早い。ばっちりお人形さんみたいになって準備している。「定期」「おっけー」「財布」「ある!」「携帯」「持った!本日は18時上がりです!」出勤前点検らしい。
今日はきーちゃんバイト、真ちゃんは元の会社にヘルプで1日不在。ちょっとつまらない。おばあちゃまが呼んでくれたので母屋の方に遊びに行って、ピアノも弾かせて貰った。時々おばあちゃまのリクエストを弾いたりとっても楽しい。「こうやって目の前で弾いて貰えるのはええね。真弥は全然弾いてくれへんから」と言うおばあちゃま。滞在中、リクエストあればいつでもお弾きいたしますわ。
「きいちゃんね、よくやってくれてるよ。心配なくらい」とおばあちゃま。きーちゃんはいつも大丈夫!と言うから、普段の生活を聞いてみた。おばあちゃまが一番客観的に見てると思うから。「良いタイミングで来てくれたわ。ありがとう」きーちゃんがバイトに行くのが心配で、無理に働かなくてもいいと言ってるのにと言う。やっぱりお勤め反対なのね。家の方のお仕事もしっかりやっていて、きーちゃんにと依頼してくる方も居てるらしい。元々お付き合いしてるお家のお子さんからが多いみたい。若いから親しみやすいのが良いんだろうとおばあちゃま。
おばあちゃまや真ちゃんが教えたこともきちんと理解して使っていて、今まで感覚や才能だけでやっていたことを言葉を使って理解出来たから腑に落ちたという事らしい。それなら、わざわざ勤めに行かなくてもおうちの仕事だけでも全然いいじゃない。と思うけど、きーちゃんの中には何かあるんだろう。
「やっぱりちゃんと働かなきゃいけないかなーって」夜、その辺りをきーちゃんに聞いてみた。「でもお家のお仕事してるんだから良いんじゃない?って思うんだけど」と言うときーちゃんは少し考える。「お家のお仕事だけにして、そこに全エネルギーを使えばもっと出来ること増えるだろうなって思うけどね…それだとね、みんながとっても優しいから甘えちゃうねん」
「私ね、すぐ楽な方に行っちゃうねんな。だから家のお仕事だけ手伝って真ちゃんに全部守ってもらって、しかも優しい人ばっかりに囲まれて。って本当はそっちの方が良いと思ってる」「けどね、それだと私は何も出来ないままだし、真ちゃんにしてもらうだけから変われないから。バイトに行くから出来るようになるわけじゃないんだろうけど、真ちゃんに守ってもらえない所で自分の力で行かなきゃいけないことも必要なのかなって思って」「でないとね、いざって時にいつも守ってもらってるのに私は真ちゃんを守れないかもしれないから」そうかー、きーちゃんもきーちゃんなりに考えてるんだね。成長した姿を見てちょっと安心。「いざって時に真ちゃんを守れないかもしれない。」って言葉にちょっと感動した。いつまでも泣き虫の小さな子じゃないんだね。ふと夏に会ったおばあちゃんにきーちゃんをきちんと育てあげた。と言ってもらったのを思い出した。大事な大事な娘はちゃんと大人になったんだと思うと嬉しくなった。
「そんなん心配せんでええのに、ホンマキリエはかわええなぁ」私以上に感動してる酔っ払い一名。しまった、酔っ払いが居ない時に聞けば良かった。と溺愛モードが加速して面倒くさい酔っ払いと若干それに迷惑そうな娘を見て思った。「真ちゃん居ない時にねーさんにこっそり聞いて貰えば良かったー」と笑うきーちゃん。私もそれ後悔してるよ。と言って一緒に笑った。
酔っ払い撃沈。「寝る時起こしたらいっかー」と言って真ちゃんに毛布をかけるきーちゃん。「よくここで撃沈すんの?」「たまにやらかすよー。起きなかったらこっちで一緒に寝ちゃう」と笑うきーちゃんはやっぱりかわいい。「超今更な話って分かってるんだけどね、きーちゃんこの生活して無理したり不安だったりしてない?」このタイミングで聞いてみよう。「なんで?」何で?と来たか。「自然な成り行きだったかもしれないけどね、まだきーちゃん若いしやりたいこともあるんじゃなかったかなとか思って」「全然。今が一番いい」即答するきーちゃん。「さっきもね、言ったけどみんな優しいねん。甘えちゃってるなーって氣付いて自分で喝を入れなきゃいけないくらい。でもね、こんな優しい世界にずっと居たかってん。だからとっても嬉しい」と笑う。「不安はあるよ」きーちゃんは真ちゃんが寝ているのを確認する。「真ちゃんね、もうずっと自由がないねん。いつからだろう。多分ね、ねーさん達と一緒に住んでた時からずっと私のこと見ててくれてね。ごめんねって謝ることがあっても、いつも全然良い。何も謝ることはないって言ってくれるから嬉しいけどね、ふと我に返ってしまわないかなって」「我に返る?」「うん。何年も何してたんだろうって。こんなに面倒なヤツじゃなくてもたくさん真ちゃんと一緒に居たいって人いるのに何でわざわざこんなのと居るのかな?って」
「そうなったらごめんなさいとしか言えないんだけどね…」「それは無いと思うけどな」「そうかな。だったら良いけど」とまた笑う。「そうなったら、本当は『今までありがとう』って言わなきゃいけないんだろうけど、多分もうそんなこと言えないと思う。嫌われたって一緒に居て欲しいって言っちゃうと思う」うーーん。それは本当無い氣がするなぁ。前にも似たこと言ってたよね。きーちゃんの中にはずっと残ってるのかな。「自分で私だったら嫌だなーって思う。いくら言っても中々納得しなくて同じこと言い続けて。もういい加減して!って言いたくなると思う。でも真ちゃんは私が同じこと言うたび『それは違う。ここに居ていい』って言い続けてくれたん」
「そんな人絶対居ないと思う。物好きだなーって。前にね、真ちゃんの人生の使い方を考え直した方が良いかと思いますって言ったことあるよ」と笑う。「そうなの??」どういう進言よ。「そう。でもね、笑って終わらされちゃったー」そうだろうね。「だからね、私って自分で不幸だって居る場所もないって思い込んでたけど、今はそんな事ないって。真ちゃんもそうだしね、ねーさん達もすぐ側に居てくれる。だから一番果報者なん」そう言ってうふふと笑った。「そっかー。きーちゃんがそう笑うの嬉しい。真ちゃんから聞いたわけじゃないけどね、多分真ちゃんが我に返ったとしても、きーちゃんの不安に思ってることにはならないと思うよ」「そう?」「だって、真ちゃん、何年も前からきーちゃんのこと大好きでずっときーちゃんのことを見てたもん。ようやくきーちゃんが真ちゃんに向き合って真ちゃんのことが特別な1人になったしお嫁さんになってくれて。きーちゃんが『もう嫌だ!』って言っても逆に離れないと思うよ。だって真ちゃんは屈折した変態だから」と言うときーちゃんは嬉しいそうに笑った。「たまーにもう少し一瞬だけ離れて下さい!って言いたくなるー」体勢を変えてきーちゃんに抱きつくカタチになって寝ている真ちゃんを器用に離しながら笑った。「うん、そうだね、それは私も思う。別居中の妊婦には刺激が強すぎるっての」そう言って2人でまた笑った。
一度は少し心配したけど、そんなことはなくてホッとした。